“クラスター爆弾 ウクライナで200人超死亡” 国際的人権団体

殺傷能力が高く使用を禁止する国際条約があるクラスター爆弾について、国際的な人権団体はロシアによる侵攻が続くウクライナ国内での使用が相次いでいて、これまでに200人以上が死亡したとして使用の禁止を訴えています。

国際的な人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」などは25日、クラスター爆弾による被害や各国の政策をまとめた、ことしの報告書を公表しました。

報告書によりますと、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナ国内では、とりわけロシア軍や親ロシア派の武装勢力によって、少なくとも10の州で合わせて数百のクラスター爆弾が使われたとみられるということです。

一方、ウクライナ軍も東部や南部などのロシア側の支配地域で、少なくとも3回使用した可能性があると指摘しています。

こうした攻撃によって、ウクライナ国内では、7月の時点で215人が死亡し、474人がけがをしていて、確認ができたウクライナ側の被害者はすべて民間人だったということです。

クラスター爆弾は、1つの爆弾の中に入った小型の爆弾が飛び散る仕組みで、殺傷能力が高いことなどから使用を禁止する国際条約がありますが、ロシアやウクライナは参加していません。

記者会見を行った調査チームの代表は「クラスター爆弾によって最初に犠牲になるのは市民だ。不発弾などが長く残り、何年もあとに犠牲が出ることもある」と述べ、使用の禁止と条約への参加を訴えました。