新型コロナ 療養明けも続くせき だるさにどう対応 専門家は

第7波で各地で感染者数が過去最多となるなか、療養を終えて職場や学校に復帰した人も多くなっています。
一方で、復帰後もせきや体のだるさなどに悩まされているという人も多く、どう対応すればよいのでしょうか。専門家に詳しく聞きました。

街の人たちは

療養明けの状況について、コロナに感染したことがある人たちは。
「せきが止まらないです。今も我慢している」40代男性
「嗅覚が全くきかなかった」40代女性
「体力が落ちて会社にいくのがしんどかった」50代男性

療養を終える基準は

厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスに感染し自宅で療養している人は8月17日時点で全国で140万人以上いますが、症状がない場合は検査で陽性となった日から8日目以降、症状がある場合は発症した日から10日以上たち、症状が軽快してから3日以上たっていれば検査なしで療養が解除になり、いま多くの人が職場などに復帰しています。
ただ、療養期間が明けた後でも、疲労感やだるさ、せきや息切れ、匂いや味がしない、気分の落ち込み、集中力の低下などといった症状が続くことがあります。

専門家 “本調子に戻るには時間かかる”

こうした症状について初期から新型コロナ患者の治療に当たってきた大阪大学の忽那賢志教授は「症状が出た人でも10日間の自宅療養のあとでは周りに感染させるリスクはほぼないが、すべての症状がよくなっているわけではなく本調子に戻るには時間がかかる人が多い。特に多い症状はだるさで、以前、自分たちが行った調査でも1か月後でも2割の人がだるさが残ると訴えていた。ほかにもせきが長引く、たんが絡む、匂いが戻らないといった症状が頻度としては高い。全く症状がなくなったという人のほうが珍しく、基本的には時間がたつとよくなっていくものだ」と話しています。

そのうえで注意すべきポイントとして、療養中に無理して体を動かさないことと療養後も自身の体調をみながら相談することが大事だとしています。

専門家 “復帰しても無理せず”

忽那教授は「療養中につらいのが最初の数日だけの人が軽い運動をするのはよいが、症状が続いている人は無理に体を動かさないほうがよい。また療養明けの時点では体力も落ちており、仕事に復帰しても病み上がりの状態でいきなり休む前の体調に戻るのは難しく体調をみながら復帰することが重要だ。療養明けに続く症状が悪化したり別の症状が出る場合はコロナとは別の原因を疑う必要もあるので医療機関を受診してもらいたい」と呼びかけています。

一方で、政府が療養期間を7日間に短縮することを検討していることについて、忽那教授は「10日目までは感染させる可能性もあるので、仮に療養期間が7日間に短縮されることになれば、マスクの着用を徹底するなど、特に残りの3日間は注意していただくことが重要だ」と話しています。