NPT再検討会議 原発めぐる「最終文書」草案にロシア強く反発

ニューヨークで開かれているNPT=核拡散防止条約の再検討会議で議題となっているウクライナのザポリージャ原子力発電所について、ロシア軍が掌握した状態からウクライナ当局の管理下に戻すよう求める「最終文書」の草案にロシアが強く反発し、全会一致での合意の見通しはたっていません。

ニューヨークの国連本部で開かれているNPTの再検討会議は、今週が4週間の会期の最終週で、「最終文書」の作成に向けた大詰めの交渉が始まっています。

議題の一つとなっているロシア軍が掌握するウクライナ南東部のザポリージャ原子力発電所については、「最終文書」の草案でロシアによる軍事活動などの影響に重大な懸念が示されるとともにウクライナ当局の管理下に戻すよう求めています。

これについて、22日の協議では、ヨーロッパを中心に多くの国が「ロシアによる軍事侵攻が現在の状況を作った」などと指摘して、草案の内容への支持を表明しました。

これに対しロシアの代表は、原発周辺への砲撃はウクライナ軍によるものだと改めて主張したうえで、草案の内容について「受け入れられない」と強く反発しました。

このあとの全体会合で、再検討会議のスラウビネン議長は歩み寄りを促す考えを示しましたが、各国の対立が続く中、全会一致での合意の見通しはたっていません。