クリミアで攻防激化 ロシア軍の黒海艦隊司令部を無人機が攻撃

ウクライナでは、ロシアが8年前一方的に併合した南部クリミアで、ロシア軍の黒海艦隊の司令部が無人機で攻撃されるなど、双方の攻防が激しくなっています。

ウクライナ南部クリミアの軍港都市セバストポリでは、8年前のロシアによる一方的な併合のあと、行政府のトップとなったラズボジャエフ氏が20日、ロシア軍の黒海艦隊の司令部が無人機で攻撃されたことを明らかにしました。

詳しい状況は分かっていませんが、無人機は司令部の上空で撃墜したとしています。

一方、ウクライナ政府は、この無人機による攻撃についてこれまでのところコメントしていません。

クリミアでは今月9日にも駐留するロシア軍の基地で大規模な爆発が起き、ロイター通信は19日、欧米の当局者の話として、この爆発で黒海艦隊に所属する戦闘機の半分以上が運用を停止していると伝えました。

こうした中、ロシアの有力紙コメルサントは19日、黒海艦隊の新しいトップにビクトル・ソコロフ氏が就任したと報じました。

イギリス国防省は今月16日、黒海艦隊について「効果的に制海権を行使することに苦慮している」と分析していて、ロシアとしては、ウクライナ軍が南部で反転攻勢を強める中、黒海艦隊のトップを刷新することで戦力を立て直したいねらいもあるとみられます。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は20日に公開した動画で「ロシアによるクリミアの占領は一時的なものだ。ウクライナがクリミアを取り戻すと感じることができるだろう」と述べ、クリミアの奪還を目指す決意を示しました。

そして、今月24日でロシアによる軍事侵攻から半年となることに触れ、ウクライナの勝利のため国民の団結を呼びかけました。