北朝鮮 キム総書記 新型コロナ感染対策の軍医らたたえる演説

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は、新型コロナウイルスの感染対策にあたるために投入されていた軍医らに対して「国の保健医療の防衛線を強固にするうえで先頭に立つべきだ」と演説し、軍内部の結束の強化を図るねらいがあるとみられます。

北朝鮮では、新型コロナウイルスの感染によるとみられる発熱者が首都ピョンヤンで急増したことし5月、医薬品の安定的な供給などにあたるため、朝鮮人民軍の医療部門が投入されていました。

キム・ジョンウン総書記は、新型コロナを抑え込んだとして、先週「勝利宣言」を行ったのに続いて、18日、軍医らを前に演説したもようを、国営の朝鮮中央テレビが19日に放送しました。

この中でキム総書記は「国家の安全と人民の生命・財産を脅かす非軍事的な挑戦にも勝利できる能力を示した」とたたえました。

そのうえで「軍医部門は、戦争遂行を支えるという本来の使命に即して、国の保健医療の防衛線を強固にするうえで先頭に立つべきだ」と強調しました。

北朝鮮は、韓国側から風船につけて飛んできたビラなどが、ウイルスの感染源だと主張するとともに、来週からアメリカと合同軍事演習を行う韓国への非難を強めていて、キム総書記としては、軍内部の結束の強化を図るねらいがあるとみられます。