クリミアで再び爆発 ロシア国防省「破壊工作を受けた」

ロシアが8年前、一方的に併合したウクライナ南部のクリミアで弾薬庫が爆発し、ロシア国防省は「破壊工作を受けた」として、ウクライナ側から攻撃を受けた可能性を示唆しました。
クリミアでは今月9日にもロシア軍の基地で大規模な爆発が起きていて、ロシア側は神経をとがらせているものとみられます。

ロシア国防省は国営の通信社に対して「破壊工作を受けた」として、ウクライナ側から攻撃を受けた可能性を示唆したほか、重大事件を扱うロシア連邦捜査委員会は、現場で捜査に着手したと発表しました。

一方、ウクライナ空軍のイグナト報道官は、地元メディアに対し、SNSなどで流れている映像から、ロシア軍の武器や戦闘機の多くが爆発で失われているとする見方を示しました。

また、ウクライナ大統領府のイエルマク長官はSNSで「ウクライナ軍の作戦は領土の占領状態を完全に脱するまで継続される。クリミアはウクライナだ」と投稿しました。

クリミアでは今月9日にも駐留するロシア軍の基地で大規模な爆発があり、ロシア軍の戦闘機などの航空戦力が打撃を受け、アメリカの複数の有力紙は、ウクライナ側が攻撃に関与したという見方を伝えています。

ウクライナでは、ゼレンスキー大統領が今月15日、クリミアの奪還をめざし新たな諮問機関を設置したほか、23日には、各国との協調を図る国際会議がオンラインで開かれる予定で、ロシア側は神経をとがらせているものとみられます。

ゼレンスキー大統領 クリミア奪還へ諮問機関を設置

ウクライナのゼレンスキー大統領は、15日、ロシアが8年前、一方的に併合したウクライナ南部のクリミアの奪還をめざして新たな諮問機関を設置したことを明らかにしました。

新たな諮問機関について、ゼレンスキー大統領は、「奪還に向けた方策とすべてのプロジェクトを調整し、『クリミア・プラットフォーム』の活動を保障するためだ」と述べ、合わせて40以上の国と国際機関の代表が出席し去年8月、初めて開催された国際会議で立ち上げた「クリミア・プラットフォーム」と呼ばれる多国間の枠組みと連動する考えを示しました。

クリミア奪還をめざして各国との協調を図る2回目の国際会議は、今月23日、オンラインで開催される予定で、ウクライナ政府は、南部で反撃を続けるとともに、多国間の枠組みを通じてロシアに圧力をかけるねらいがあるとみられます。