ウクライナ 南東部の原発周辺でも攻撃やまず 安全性懸念深まる

ウクライナ南部でロシア軍とウクライナ軍の攻防が激しくなる中、南東部にあるヨーロッパ最大規模の原子力発電所の周辺でも攻撃がやまない状態になっていて、原発の安全性への懸念が深まっています。

ウクライナ南部では、ヘルソン州でロシア国防省が14日、ウクライナ軍の拠点を攻撃し35人を殺害したと主張する一方、ウクライナの国営通信は、ウクライナ軍がドニプロ川の橋を攻撃してロシア軍の補給路をほぼ遮断したと伝えるなど、攻防が激しくなっています。

また、南東部にあるヨーロッパ最大規模のザポリージャ原子力発電所の周辺でも今月に入って攻撃がやまない状態が続いています。

ウクライナの原発公社「エネルゴアトム」は14日、原発が立地するエネルホダル市に向けてロシア側が少なくとも6回砲撃を行い、原発職員1人が死亡したほか、市民2人がけがをしたと明らかにしました。

これに対して現地の親ロシア派の幹部は14日、SNSで、ウクライナ軍が連日、原発への砲撃を続けていると主張したうえで「原発周辺地域からウクライナ軍を排除するという軍事的な成功によってのみ問題が解決できる」と述べ、依然としてウクライナとロシアが互いを非難しています。

原発の安全性への懸念が深まる中、EU=ヨーロッパ連合の加盟国や日本、アメリカなど42か国は、12日付けで共同声明を出し、ロシア軍が掌握していることで原発の安全性が脅かされているとして、ロシア軍の原発からの即時撤退を求めました。