高校野球 香川 高松商が福岡 九州国際大付に勝ちベスト8進出

夏の全国高校野球、大会10日目の第2試合は香川の高松商業が福岡の九州国際大付属高校との接戦を2対1で制して、52年ぶりのベスト8進出を果たしました。

終戦から77年となった15日の甲子園では、第2試合の途中で選手や観客などが黙とうをささげました。

新型コロナウイルスの影響で選手の入れ替えを余儀なくされたチームどうしの対戦となった試合は1回、高松商業の注目の強打者、1番の浅野翔吾選手が内野安打で出塁すると、4番の山田一成選手のタイムリーヒットで1点を先制しました。

2回に同点に追いつかれましたが、4回は2アウト一塁二塁のチャンスで、2番の井櫻悠人選手がライト前にタイムリーヒットを打って勝ち越しに成功しました。

一方の九州国際大付属は先発した香西一希投手が、6回を投げて2失点と好投し、バックも再三の好プレーで追加点を許しませんでしたが、打線が援護できませんでした。

試合はこのまま高松商業が九州国際大付属に2対1で勝って、52年ぶりのベスト8進出を果たしました。

高松商 井櫻選手「積極的にストライク振った結果がよかった」

4回に勝ち越しのタイムリーヒットを打った高松商業の井櫻悠人選手は「相手のピッチャーは球速以上にボールに伸びがありましたが、積極的にストライクを振っていった結果がよかったと思います」と振り返りました。

また、新型コロナウイルスの影響で急きょメンバーから外れた2人の選手に向けては「『2人の分まで全員野球で勝てたよ』と伝えたいです」と話していました。

高松商 浅野主将「甲子園ベスト8目標達成できよかった」

高松商業のキャプテンで、前の試合で2本のホームランを打った浅野翔吾選手は、15日は内野安打1本と、2つの四死球で3回出塁し、チームの勝利に貢献しました。

試合について「高松商業が掲げる守り勝つ野球をして甲子園ベスト8というチームの目標を達成することができたのでよかったです」と話していました。

また、新型コロナウイルスの影響で試合に出場できなくなった2人の選手に対しては「甲子園でまた試合がしたいと思っていると思うので、彼らが戻ってこられる決勝まで勝ち続けたいです」と話していました。

高松商 長尾監督「勝った気がしない試合」

高松商業の長尾健司監督は「きょうは不思議な勝ち方でした。ランナーを進めて攻撃の形を作るなど、やるべきことができず、勝った気がしない試合でした」と振り返りました。

そのうえで、完投したエースの渡辺和大投手については「最後まで球威が落ちることなくすばらしい投球でした」とたたえていました。

次の試合に向けては「次はランナーを進めるバッティングやチャンスで積極的に振っていく姿勢など高松商業の野球ができるように修正していきたいです」と気を引き締めていました。

九州国際大付 香西投手「2失点でも負けたのは自分の力不足」

九州国際大付属高校の3年生、香西一希投手は「先頭バッターを出す場面が多くありましたが、メンバーがしっかり守ってくれたので、試合を作ることができたのかなと思います」と試合を振り返りました。

また、相手の高松商業の渡辺和大投手について「同じ左ピッチャーとして負けたくないという気持ちで投げていましたが、2失点でも負けてしまったのは自分の力不足だったと思います」と話しました。

そして「夏の大会からみんなに支えられてここまで来られました。最高の仲間と最後までプレーできました。2年生には来年、優勝してもらいたいです」と感謝のことばを述べ、後輩にエールを送りました。

九州国際大付 佐倉選手「自分の実力不足」

九州国際大付属の2年生で5番の佐倉侠史朗選手は「ヒットを1本打てましたがそれ以降は打ち損じてしまいました。自分の実力不足だと思います」と試合を振り返りました。

今後に向けては「1点が欲しい場面でヒットが出ないところが自分のだめなところだと思います。きょうの試合を絶対忘れず、またチームを甲子園に連れて来られるようにしたいです」と話していました。

九州国際大付 楠城監督「伸び伸びやらせてあげたかった」

九州国際大付属の楠城徹監督は「前半に山があったが自分たちの流れにできずたくさんの課題が残りました」と振り返りました。

また、大会中に新型コロナウイルスの集団感染が判明し、選手を入れ替えて試合を戦ったことについては「最後の夏に甲子園の舞台に立ったのだから伸び伸びやらせてあげたかったが、自分の責任だと思います」と話しました。

高松商 浅野選手「チャレンジャー精神を持って食らいつく」

高松商業の今大会注目の強打者、浅野翔吾選手は15日の試合、4打席で3回出塁しチームの勝利に貢献しました。

今大会屈指のスラッガーとして注目されている浅野選手は2回戦の長野、佐久長聖高校戦では2打席連続でホームランを打ち、高校通算のホームラン数を66本に伸ばしました。

さらに50メートル5秒9と足の速さも特長で、15日の試合、1番センターで出場すると1回の第1打席ではセカンドへの内野安打で出塁しました。

さらに、3番バッターへの初球で「けん制してくることはない」と読み切り、盗塁を成功させて自慢の足でチャンスを広げました。

すると4番の山田一成選手のヒットでホームに返り、足の速さを生かしてチームの先制点につなげました。

2回の第2打席はデッドボール、4回の第3打席では2アウト一塁からフォアボールで出塁してチャンスを作り、チームの勝ち越し点につなげました。

第4打席は「少し力んでしまいました」とライトフライに倒れましたが、この試合、浅野選手は4打席で3回出塁してチャンスを作り、チームの勝利に貢献しました。

高松商業は新型コロナウイルスの影響で急きょ、レギュラー2人を入れ替えて15日の試合に臨みましたが、試合のあと浅野選手は「当初はベスト8進出を目標にしていましたが、2人が戻ってくるまで勝ち残るという目標に変わりました。どんな相手でもチャレンジャー精神を持って、食らいついていきたいです」と決意を新たにしていました。

15日はバッティングだけでなく、足の速さでも能力の高さをみせた浅野選手。

52年ぶりに進出したベスト8でも、その活躍から目が離せません。

高松商 イチローさんがプレゼントのバットをベンチに

高松商業は、大リーグなどで活躍したイチローさんに指導を受けたという縁があり、プレゼントされたバットをベンチに持ち込んで、15日の試合に臨みました。

高松商業の選手たちは去年12月、イチローさんから直接、指導を受けたあと「バットを通して君たちのことを見ているからね」とイチローさんがフリーバッティングで使っていたバットをプレゼントされました。

15日の試合、高松商業の長尾健司監督は「あの日のことばや気持ちを甲子園でも思い出してほしい」と、そのバットをベンチに持ち込みました。

キャプテンの浅野翔吾選手は「試合中はバットを見て、イチローさんから教わったアドバイスを頭に入れて打席に向かいました」と話していました。

さらに、チームの保護者会はスローガンとして掲げる「一枚岩」と、イチローさんにちなんで「TAKASHOイチ岩」と書かれたタオルを作り、甲子園のアルプス席でも応援に使っています。

1回に先制するとアルプス席では生徒や保護者がタオルを掲げて選手たちを応援していました。

保護者会長の大坪和博さんは「新型コロナの影響で出場できなくなった選手たちの分までグラウンドで戦う選手とアルプスが一丸、そして一枚岩となって心をひとつにして必ず勝ちます」と涙ながらに話していました。