ウクライナ 南部で攻防激化 ゼレンスキー大統領 “圧力を”

ウクライナでは南部でロシア軍とウクライナ軍の攻防が激しくなっていて、ゼレンスキー大統領は14日、戦闘を少しでも早く終結させるため、各国にロシアに対する圧力を強めるよう改めて呼びかけました。

ウクライナ軍は、ロシア軍に支配されている地域の奪還を目指し、反撃を続けていて、14日、ウクライナ南部のヘルソン州でロシア軍の弾薬庫2か所を破壊したと発表しました。

また、ウクライナの国営通信は、ウクライナ軍がヘルソン州内を流れるドニプロ川の橋を攻撃しロシア軍の補給路をほぼ遮断したと伝えました。

一方ロシア国防省も14日、軍の部隊がヘルソン州にあるウクライナ軍の拠点を攻撃し、35人を殺害したと発表するなどウクライナ南部で、ロシア軍とウクライナ軍の攻防が激しくなっています。

ウクライナのベレシチュク副首相は、ヘルソン州の住民に対して「避難してほしい。厳しい冬が待ち構えている。寒さと敵からあなたたちを守らなければならない」と述べるとともに、戦闘が長期化するという見通しを示しました。

こうした中、ゼレンスキー大統領は、戒厳令と総動員令を延長する法案を、議会にあたる「最高会議」に提出するなど戦争の長期化に備える構えを示しています。

そのうえで、ゼレンスキー大統領は14日公開した動画で「ウクライナが強くなれば、ロシアは弱くなり、この戦争が続く時間は短くなる」と述べ、各国にロシアに対する制裁強化など圧力を強めるよう改めて呼びかけました。