洋上風力発電の入札基準 稼働時期の早さを重点に見直しへ 政府

脱炭素の実現に向けて政府が導入に力を入れている洋上風力発電について、政府は、入札で事業者を選ぶ基準を見直す方針です。
電力の安定供給を確保するためには、早期の稼働を促す必要があるとして、新たな基準では、稼働時期の早さに重点を置くとしています。

政府は、おととしから去年にかけて秋田県と千葉県の沖合で行う洋上風力発電の3つのプロジェクトについて入札を実施しましたが、圧倒的に低い供給価格を示した大手商社「三菱商事」を中心とする企業連合が3つすべてを落札しています。

こうした中、政府は、多様な事業者の参入を促して関連する産業を育成するため、入札で事業者を選ぶ評価基準を見直す方針です。

ロシアによる軍事侵攻の影響で、電力を安定的に確保するために再生可能エネルギーの導入を加速する必要が出てきたこともふまえ、新たな基準では、稼働時期の早さに重点を置くとしています。

また、1つの事業グループが落札できる発電の規模に上限を設けるほか、事業者が提案する価格が一定の基準を下回っていれば評価を同じにして価格の面だけでなく事業全体をみて評価することにしています。

こうした政府の方針に対して、稼働時期の早さを過度に重視すると事前の開発活動が誘発され公正な競争が行われなくなるのではないかなどという声も出ていて、政府はパブリックコメントなどで寄せられた意見も参考にしながらこの秋にも新しい基準を決定したいとしています。

“洋上風力発電は再生可能エネルギー導入の切り札”

資源エネルギー庁風力政策室の石井孝裕室長は、「洋上風力発電は再生可能エネルギーの中でも非常に重要な電源だと考えており、再生可能エネルギーの導入に向けた切り札として見ている。多くの事業者が参入することで、競争が生まれるとサプライチェーンのコストが抑えられて、それが消費者の電気料金の抑制にもつながっていくと考えている。洋上風力発電は始まったばかりのれい明期にあり、評価基準についてはよりよい制度にしたい」と話しています。