北九州 旦過市場でまた大規模火災 4月に42店舗焼ける火事

10日夜に北九州市小倉北区の旦過市場で火事があり、消防によりますとおよそ2000平方メートルが焼けました。これまでのところけが人などの情報は入っていません。旦過市場ではことし4月にも大規模な火事があり復旧作業が進められていたところでした。

消防によりますと、10日夜8時50分ごろ北九州市小倉北区の旦過市場の近くの店舗から「天ぷら油に火が入った」と通報がありました。

火は広い範囲に燃え広がり、消防車38台が出て消火活動にあたりました。

11日午前1時半すぎに延焼のおそれはなくなりましたが、通報からおよそ9時間がたった午前6時時点でも白い煙が辺りに立ち込めていて、消防による放水が続いています。

消防によりますと、およそ2000平方メートルが焼損したとみられ、今後詳細を調べることにしています。

これまでのところけが人や逃げ遅れた人がいるなどの情報は入っていません。

警察によりますと、火事の影響で周辺の住民およそ70人が近くにある市民センターに一時、避難したということです。

旦過市場はおよそ100年前の大正時代に整備された市場で、北九州市の市民の台所として親しまれてきました。

ことし4月には今回の現場のすぐ近くで1900平方メートル余りが焼け42の店舗が焼損する大規模な火事があり、復旧に向けたがれきの撤去が13日に終わる見込みとなっていました。

大正時代に整備された旦過市場は木造の建物が密集していて、屋根や外壁にはトタンが多く使われていました。

ことし4月の火事では通報から火が完全に消し止められるまでにおよそ65時間かかりました。

老舗の映画館も炎に包まれる

NHKが撮影した映像では老舗の映画館「小倉昭和館」が炎に包まれる様子が確認できます。

昭和館は昭和14年に創業し、幅広いジャンルの往年の映画を上映して、老若男女から親しまれてきました。

ことし4月の火事ではほとんど被害を受けることはなく、火事から10日後に営業を再開していました。

また、映画館に設置した募金箱には35万円が集まり、7月27日に旦過地区復旧対策会議に寄付したばかりでした。

映画館の館主「なぜこうなったのか」

この火事で焼けた老舗の映画館「小倉昭和館」の館主の樋口智巳さんは、「電話で火事のことを聞いて来た。もうすぐがれきの撤去も終わると聞いていたのになぜこうなったのか。これからようやく立ち上がっていこう、いこいの広場をつくっていこうと話していたのに」と言葉を詰まらせながら話していました。

「どんどん火の勢いが増した」

午後9時50分すぎにNHKの職員が撮影した映像では、真っ赤な炎が3階建ての建物を越えて大きく上がり、片側2車線の車道を挟んだ反対側の歩道では消防による消火活動の様子を心配そうに見守る大勢の人たちが確認できます。

撮影した職員は「“小倉昭和館”という地元の人たちに愛されている老舗の映画館が炎に包まれていて、周りにいた人たちが『昭和館が燃えている』などと声を上げていました。炎が上がっている場所からは50メートルほど離れていましたがバチッという音が聞こえ、どんどん火の勢いが増して周囲や撮影していたスマートフォンが熱くなっていくのを感じました。撮影を続けていると、消防士から危ないので下がるよう呼びかけられ、その場を離れました」と話していました。

生花店焼けた男性「今は何も考えられない」

経営する生花店が焼けたという真子秀男さん(75)は、朝早くから現場で消火活動を見守っていました。真子さんは「旦過市場全体がこれから復旧して頑張っていこうというところだったのにこうなってしまって悔しい。今は何も考えられない」と話していました。

「ショック大きすぎる」「お店の人たちがかわいそう」

現場近くにいた女性は「夏まつりのときに通って4月の火事でのがれきがきれいになっていると思ったばかりなので、ショックが大きすぎます」と話していました。

旦過市場の近くに住むという男性は「2度もこういう火災にあって、お店を出している人たちがかわいそうです。非常に残念です」と話していました。

「またかと残念な気持ち」「先輩の店が全部焼けてしまった」

火災が起きた当時、近くの飲食店で働いていたという男性は「前回と同じようなところが燃えていてびっくりしました。またかと残念な気持ちです。外に出たら泣いている方が結構いらっしゃって、自分自身もどういう気持ちでいたらいいかわかりません」と話していました。

火災のことを聞き急いで駆けつけたという男性は「先輩が店をやっていて、前回の火災のあと盆明けにオープンしようと一生懸命準備していましたが、全部焼けてしまったそうです」と話していました。

旦過市場とは

「旦過市場」はおよそ100年前の大正時代に整備され、100以上の店が肉や野菜などの生鮮食品やお総菜などを販売し、長年、北九州市の「市民の台所」として親しまれてきました。

しかし、ことし4月に42の店舗が焼ける大規模な火事が発生し、多くの店や関係者が影響を受けました。

その後、がれきの撤去作業が進められたほか、市民などからクラウドファンディングや募金でおよそ9400万円の寄付金が寄せられ、それをもとに8月、焼け跡ににぎわいの場をつくることが決まるなど、復旧に向け動き始めたばかりでした。

がれきの撤去が完了する目前に…

旦過市場ではことし4月の火事のあと、市民などから寄せられた寄付金をもとに、6月からがれきの撤去など復旧に向けた作業が続けられていました。

9日に開かれた旦過地区復旧対策会議の会合ではがれきの撤去が今月13日に終わる見込みが報告され、16日には敷地を報道陣に公開することが決まっていました。

また、9日の会合ではがれき撤去後の敷地に人工芝を敷いてにぎわいの場を設けることを決めるなど本格的な復旧に向けてようやく動き始めたばかりでした。