熱海土石流 警戒区域を来夏にも指定解除へ 市が住民に説明

静岡県熱海市は去年7月に発生した土石流で被災した地区で原則立ち入りが禁止されている「警戒区域」について、来年夏の終わりまでに指定を解除する方針を決め、7日、住民に説明しました。

熱海市が国や静岡県の担当者とともに熱海市役所で開いた説明会には、自宅のある土地が「警戒区域」に指定され、地元から離れた生活を余儀なくされている住民およそ60人が出席しました。

この中で県の担当者は、土石流の起点にあった盛り土の造成場所に残されている大量の土砂について、元所有者側が撤去の命令に応じない場合、ことし10月中旬にも行政代執行に踏み切り、来年の梅雨の時期までに不安定になっている土砂の撤去を進める方針を説明しました。

続いて熱海市の斉藤栄市長は、県の工事が予定どおりに進んだ場合、来年夏の終わりまでに警戒区域の指定を解除する方針を決めたことを明らかにしました。

そのうえで、離れて暮らしている住民が一斉に地元に戻るのは難しく、土砂が流れ下った逢初川の改修工事の進捗(しんちょく)状況などによって段階的に戻れるようになるとして、警戒区域の解除後にすぐに帰還できる区域を今後、示すということです。

また、住民によって帰還できる時期が異なることから、来年の夏に期限を迎える公営住宅などの家賃補助も継続する方針を説明しました。

熱海市は「警戒区域」にある土地の一部を市が買い取って宅地造成を進め、住宅の再建を希望する人に分譲する計画を進めていて、斉藤市長は説明会の中で2025年度中の分譲を目指していることも明らかにしました。

被災者「これ以上帰還の時期が延びないように」

説明会のあと、およそ50人の被災者で作る「警戒区域未来の会」の代表の中島秀人さんは「日程が確定したのは被災者が今後の計画を立てやすくなると思いました。2年後には帰りたいという気持ちで活動してきましたが、戻るまでにさらに時間がかかってしまうのは残念です。これ以上、帰還の時期が延びないようにしてもらいたいです」と話していました。

また、自宅が全壊する被害を受け、妻や2人の子どもと被災者向けに確保された県営住宅で暮らしている志村信彦さんは「子どもたちが伊豆山地区の子どもではなくなってしまう前に早く帰りたいです」と話していました。