夏の全国高校野球 青森 八戸光星が岡山 創志学園破り2回戦進出

夏の全国高校野球、大会2日目の第1試合は青森の八戸学院光星高校が岡山の創志学園に7対3で勝って2回戦に進出しました。

八戸学院光星は4回、4番の野呂洋翔選手のタイムリーヒットなどで2点を先制しました。

直後の5回に創志学園に1点を返されましたが、そのウラ、3番の2年生・中澤恒貴選手が2点タイムリーツーベースヒットを打ってリードを広げ、8回にも3点を追加しました。

投げては、先発した左腕の渡部和幹投手が5回1失点と好投すると、得意の継投に持ち込んでリードを守り、八戸学院光星が7対3で勝って2回戦に進出しました。

創志学園は140キロ台の速球が持ち味のエース、岡村洸太郎投手が116球を投げて完投しましたが、ヒット12本を打たれ7失点と本来の力を出せませんでした。

打線も7回の1アウト満塁と、8回の1アウト二塁三塁のチャンスでいずれもあと1本が出ず、今大会で退任する長澤宏行監督に甲子園での勝利をプレゼントすることはできませんでした。

3人の投手が持ち味発揮 継投で打線封じる

八戸学院光星高校はタイプの違う3人のピッチャーが持ち味を発揮して得意の継投策がはまり、岡山大会でチーム打率3割8分7厘の創志学園打線を封じました。

大事な初戦を任されたのは、青森大会で13イニングを投げて失点わずか2だった背番号「10」のサウスポー、渡部和幹投手でした。

仲井宗基監督は「創志学園はいい左バッターがいるので、渡部がやってくれると思いました」と送り出しました。渡部投手は期待に応え、キレのあるストレートに、スライダーやチェンジアップを交えた巧みなピッチングを見せて、5回1失点と好投しました。

そして、4対1とリードした6回、ここまで76球の渡部投手を迷いなく変え、140キロ台の速球が持ち味のエース・洗平歩人投手をマウンドに送りました。

仲井監督が「洗平までは考えていました」と予定どおりの継投となりましたが、洗平投手はコントロールに苦しみ、6回に1点を失い、7回にもワンアウト満塁のピンチを招きました。

しかし、チームを支えてきた背番号「1」のキャプテンは、「起きてしまったことはしかたがないので、最少失点で切り抜けようと思いました」と気持ちを切り替えました。創志学園の3番・岡村洸太郎投手、4番の金田恭汰選手と強打の中軸をいずれも抑えて無失点で切り抜けました。

続く8回は、洗平投手が先頭バッターにフォアボールを出したところで、今度はコントロールが持ち味の3人目、冨井翼投手にスイッチ。

仲井監督が「ここ一番の精神力の強さを持っています」と評する背番号「13」は、打たせて取るピッチングで2回1失点と反撃を許さず、試合を締めました。

仲井監督は「5人の投手全員つぎ込むくらいのつもりでいました。渡部は想像以上のピッチングで洗平は気迫がにじみ出ていました。冨井も踏んばってくれてみんなよくやってくれました」と好投の投手陣をねぎらいました。

キャプテンでエースの洗平投手は「エースである以上、引っ張ろうと思っていますが、周りに良いピッチャーがいるので本当に恵まれています。自分がダメなときはきょうのように助けてもらっているし、もし仲間がダメだったら、今度は自分が助けられるようにやっていきたいです」と話していました。

互いに競い合い、支え合ってきた八戸学院光星の投手陣。それぞれが存分に持ち味を発揮し、得意の継投で初戦を突破しました。

八戸学院光星 仲井監督「しんどい試合だった」

八戸学院光星の仲井宗基監督は試合終了の瞬間にガッツポーズしたことについて「創志学園はすばらしいチームでいつか逆転されるかもしれないと感じるしんどい試合だったので、勝って思わずガッツポーズが出てしまいました」と笑顔で答えました。

3人の継投については「今大会は5人の投手を登録していて、本当は5人全員を使いたいくらいの気持ちでしたが、延長もありえるのではないかと展開が読み切れませんでした。そのため、できるだけ引っ張ろうと結果的に3人でつなぐことになりました。特に先発の渡部和幹投手が期待に応えてくれるすばらしいピッチングでした」とたたえました。

また、12安打7得点の打線については「青森大会では打撃が振るわなかったのですがやはり“打の光星”を復活させたくて調整してきました。いい当たりはあまりありませんでしたが、選手が気持ちでつないでくれたのかなと思います」と今大会に向けて打撃力の強化にも取り組んできたことを明かしました。

八戸学院光星 洗平主将「つなぐ役目は果たせた」

八戸学院光星のキャプテンで、2人目としてマウンドに上がった洗平歩人投手は「なかなか制球が安定しなくて何とか粘ろうと思って投げました。登板した6回に失点しましたが次の回は満塁を何とかしのいでチームが勝てたので、つなぐ役目は果たせたかなと思っています」と自身のピッチングを振り返りました。

2回戦に向けては「もう少し気持ちの面を強く持って、コントロールとかフォームの部分も修正して、いいピッチングができるようにしたいです」と話していました。

八戸学院光星 渡部投手「先制点やらない」

八戸学院光星の先発、渡部和幹投手は「ロースコアのゲームだと思ったので、先制点をやらない気持ちで投げました。勝てたので90点くらいだと思います」と5回1失点と好投した自身のピッチングを振り返りました。

また、「自分が粘ったから、打撃陣も応えてくれたと思います。青森大会では、“打の光星”があまり出ませんでしたが、きょうは打ってくれました」と援護をしてくれた打線に感謝していました。

八戸学院光星 中澤選手「青森代表として恥じないプレーを」

5回に、ライト線への2点タイムリーツーベースを打った八戸学院光星の2年生、中澤恒貴選手は「得点圏の場面で無得点だと相手に流れがいってしまうので絶対に点を取るという気持ちで打席に立ちました。飛んだ瞬間はファウルかフェアかわからない打球で、フェアになってくれと思いました。チームにとっても流れを引き寄せる1打になったので良かったです」と振り返りました。

初めての甲子園でのプレーについては「観客が青森大会に比べて多くて、見に来てくれた人たちの前で青森代表として恥じないプレーをしようと思いました」と話しました。

創志学園 長澤監督「選手たちに感謝」

創志学園の長澤宏行監督は「強いチームといい試合ができたと思います。相手がエンドランなど技を使いながら点を取る中で、自分たちも、もっと動きながら攻撃できたらよかったと感じました」と試合を振り返りました。

また、創部から12年間率いてきて今大会で監督を退任することについて、「きょうは試合をする中で、選手と一緒に野球ができている感覚がありました。甲子園の舞台までチームを、そして自分を導いてくれた選手たちに感謝したいです」と話していました。

創志学園 横井寿海主将「流れをもっていかれた」

創志学園のキャプテン、横井寿海選手は、「2回のチャンスで最低でも1点ほしかったが、先制点を取ることができず、相手に点を取られて流れをもっていかれてしまいました。岡村が点を取られても打線がカバーしていこうという話はベンチでしていたが、取りきれなかったのが反省です」と悔しさをにじませていました。

創志学園は2010年の創部から監督を務めてきた長澤宏行監督がこの夏を最後に退任することになっていて横井選手は「選手を信頼してくれる方で、本当に心強い存在でした。監督を勝たせることができなかったですが甲子園に連れてきてくれて感謝しかないです」と話していました。

創志学園 岡村投手「投げきりたかった」

創志学園のエースで完投した岡村洸太郎投手は「試合の中盤から終盤にかけて最少失点に抑えることができていれば、仲間が逆転してくれたかもと思うと悔しいです。監督に最後まで任された分、もっとしっかり投げきりたかったです」と自身のピッチングを振り返りました。

また、今大会で退任する長澤宏行監督については「入学してから自分が成長できたのは監督のおかげです。『監督を甲子園で勝たせる』と仲間とも頑張ってきたので、もっと一緒に試合がしたかったです」と悔しい気持ちを話しました。