グテーレス事務総長 世界の核軍縮に逆行する動きに強い危機感

広島市の平和記念式典に出席した国連のグテーレス事務総長がNHKの単独インタビューに応じ、ロシアの核の脅威をはじめ世界各地で核軍縮に逆行する動きが広がっている現状に強い危機感を示しました。
そのうえで、現在ニューヨークで開かれているNPT=核拡散防止条約の再検討会議で具体的な合意が得られるよう、国際社会に強く呼びかけました。

国連の事務総長として12年ぶりに広島市の平和記念式典に出席したグテーレス事務総長は6日午後、広島市内でNHKの単独インタビューに応じました。

被爆者との交流も行ったグテーレス事務総長は「広島は世界のシンボルであり、それは広島の文化や市民の意識に深く根ざしているのだと思う。核戦争が二度と起こらないよう、市民一人一人が世界のすべての都市にメッセージを伝える責任を感じているのだと思う」と述べました。

一方、ロシアによるウクライナへの侵攻によって核の脅威が高まっている現状について「核保有国が核戦争の可能性に言及することは絶対に受け入れられない。ウクライナでの戦争によって核兵器が重要であるという考えも広がってしまっている」と述べ、核による威嚇を繰り返すロシアを非難するとともに、核抑止力を重視する声が広がっていることに懸念を示しました。

そして「20世紀に進展した核軍縮への取り組みが逆転し、今や核兵器の近代化への投資など、新たな軍拡競争を目の当たりにしている。冷戦期には偶発的な事故を防ぐ監視や対話のメカニズムがあったが、今ではそれも存在しない」と述べ、現状が冷戦期以上に危険な状態にあるという認識を示しました。
そのうえでグテーレス事務総長は、現在ニューヨークの国連本部で開かれているNPTの再検討会議の結果が極めて重要だと指摘し「核のリスクを減らし管理を徹底するとともに、核保有国が核兵器を使用しない原則が改めて確認されるべきだ」と述べ、差し迫った危機に対処するため具体的な合意が得られるよう、国際社会に強く呼びかけました。