新型コロナ 新規感染者 増加ペース下がるも29道府県で過去最多

新型コロナウイルスの新規感染者数を今月4日までの1週間平均で比較すると、全国では前の週に比べて1.11倍で、増加のペースはほとんどの地域で前の週よりも下がっています。1週間平均の感染者数は29の道府県で過去最多になっていて、過去最多レベルの中での増加が続いています。

NHKは各地の自治体で発表された感染者数をもとに、1週間平均での新規感染者数の傾向について前の週と比較してまとめました。

全国 43都道府県で増加のペースが下がる

全国では
▽先月7日までの1週間では前の週に比べて1.78倍
▽先月14日は2.13倍
▽先月21日は1.72倍
▽先月28日は1.67倍と急速な増加が続いていましたが
▽今月4日まででは1.11倍と増加のペースは下がっています。

新規感染者数が前の週より多くなったのは44都道府県ありますが、このうち、43都道府県で増加のペースが下がっています。

全国の1日当たりの平均の新規感染者数はおよそ21万1502人で、29の道府県で1週間平均での新規感染者数が過去最多となっています。

沖縄県 1日当たり5072人 人口あたり全国最多

沖縄県は
▽先月21日までの1週間は前の週の1.38倍
▽先月28日は1.27倍
▽今月4日まででは1.08倍とペースは下がってきているものの増加が続いています。

1日当たりの新規感染者数は5072人で、直近1週間の人口10万人あたりの感染者数は2419.39人と全国で最も多い状態が続いています。

東京都 1日当たり3万2700人

東京都は
▽先月21日までの1週間は前の週の1.66倍
▽先月28日は1.66倍
▽今月4日まででは1.04倍とペースは下がってきているものの増加が続いています。

1日当たりの新規感染者数は3万2700人となっています。

神奈川県 1日当たり約1万4293人

神奈川県は
▽先月21日までの1週間は前の週の1.85倍
▽先月28日は1.48倍
▽今月4日まででは1.09倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ1万4293人となっています。

埼玉県 1日当たり約1万2042人(過去最多)

埼玉県は
▽先月21日までの1週間は前の週の1.85倍
▽先月28日は1.82倍
▽今月4日まででは1.07倍で、1日当たりの新規感染者数は過去最多のおよそ1万2042人となっています。

千葉県 1日当たり約9497人

千葉県は
▽先月21日までの1週間は前の週の1.79倍
▽先月28日は1.81倍
▽今月4日まででは1.05倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ9497人となっています。

大阪府 1日当たり約1万9930人

大阪府は
▽先月21日までの1週間は前の週の1.80倍
▽先月28日は1.61倍
▽今月4日まででは1.00倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ1万9930人となっています。

京都府 1日当たり約5117人(過去最多)

京都府は
▽先月21日までの1週間は前の週の1.58倍
▽先月28日は2.01倍
▽今月4日まででは1.15倍で、1日当たりの新規感染者数は過去最多のおよそ5117人となっています。

兵庫県 1日当たり約9749人

兵庫県は
▽先月21日までの1週間は前の週の1.82倍
▽先月28日は1.77倍
▽今月4日まででは1.06倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ9749人となっています。

愛知県 1日当たり約1万3838人(過去最多)

愛知県は
▽先月21日までの1週間は前の週の1.84倍
▽先月28日は1.65倍
▽今月4日まででは1.09倍で、1日当たりの新規感染者数は過去最多のおよそ1万3838人となっています。

岐阜県 1日当たり約2921人(過去最多)

岐阜県は
▽先月21日までの1週間は前の週の1.72倍
▽先月28日は1.63倍
▽今月4日まででは1.31倍で、1日当たりの新規感染者数は過去最多のおよそ2921人となっています。

三重県 1日当たり約2491人

三重県は
▽先月21日までの1週間は前の週の1.56倍
▽先月28日は1.93倍
▽今月4日まででは1.12倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ2491人となっています。

北海道 1日当たり約6042人(過去最多)

北海道は
▽先月21日までの1週間は前の週の2.00倍
▽先月28日は2.18倍
▽今月4日まででは1.36倍で、1日当たりの新規感染者数は過去最多のおよそ6042人となっています。

宮城県 1日当たり約2925人

宮城県は
▽先月21日までの1週間は前の週の2.02倍
▽先月28日は2.09倍
▽今月4日まででは1.22倍で、1日当たりの新規感染者数はおよそ2925人となっています。

広島県 1日当たり3218人(過去最多)

広島県は
▽先月21日までの1週間は前の週の1.67倍
▽先月28日は1.80倍
▽今月4日まででは1.31倍で、1日当たりの新規感染者数は過去最多の3218人となっています。

福岡県 1日当たり1万2230人(過去最多)

福岡県は
▽先月21日までの1週間は前の週の1.76倍
▽先月28日は1.71倍
▽今月4日まででは1.07倍で、1日当たりの新規感染者数は過去最多の1万2230人となっています。

専門家「依然として厳しい状況続くも、増加のスピードは減少」

新型コロナウイルス対策にあたる政府の分科会のメンバーで、東邦大学の舘田一博教授は現在の感染状況について「依然として厳しい状況が続いているが、増加のスピードは減少し、大都市圏などピークに近づきつつある地域もある。このまま減少していくのか、高止まりの状態が続くか、1、2週間は推移を見ていく必要がある。ただ、大都市圏では検査が追いつかず、感染者数が増えない『天井効果』が起きてピークのように見えている可能性もあるので注意しないといけない」と指摘しました。

その上で「これまでも経験してきたが、急激な感染拡大から2週間遅れて重症者数がピークとなるので、医療現場は非常に緊迫した状況が続いている。いま、強い行動制限を出さずに『第7波』を乗り越えられるかの瀬戸際に来ている。今後、全国の1日の感染者数が30万人から40万人にさらに増加する兆候があれば、強い行動制限はためらいなく出されるべきだ」と述べました。

また、お盆を迎える中での感染対策について「帰省することで普段は会えない人と再会し、懐かしい気持ちになって対策が緩み、感染リスクが高まるおそれがある。まだ、いま全国でこれだけの感染者数が出ていて私たちのまわりにウイルスが潜んでいることを改めて認識していただいて、一人ひとりが密にならないようにする、効果的にマスクを使う、大人数を避けるといった基本的な感染対策を考えることが重要になる。また、感染の兆候がある場合は旅行を控えることや、旅行の前にワクチン接種を済ませておくこと、そして、祖父母などお年寄りと会う機会がある人たちは、市販の検査キットで確認してから会うことも心がけてほしい」と呼びかけました。