ウクライナ穀物輸出 貨物船レバノンへ 安全に継続できるか焦点

ウクライナからの貨物船による穀物輸出の再開を受けて南部の港を出た最初の船は、積み荷などの検査を終え最終目的地の中東レバノンに向かいました。ウクライナ南部では、さらに16隻の貨物船が待機していて、ロシア軍の攻撃が続く中で安全に輸出を継続できるのかが焦点となっています。

ロシア軍による黒海の封鎖で滞っていた、ウクライナからの貨物船による穀物輸出の再開を受けて、今月1日にトウモロコシを積んで南部オデーサを出港した最初の船は3日、経由地のトルコのイスタンブール沖合で、およそ3時間にわたって積み荷などの検査を受けました。

その後、船は最終目的地のレバノンに向かい、トルコのメディアによりますと、今週中にも到着する見通しだということです。

深刻な食料不足に直面しているレバノンは歓迎していて、経済・貿易省で穀物の輸入を担当するジョージス・バルバーリ部長は、NHKの取材に対し「ウクライナからの穀物の輸出再開の知らせは、私たちの不安を解消し希望を与えてくれた。食の安定につながることを願っている」と述べました。

一方、仲介役となっているトルコのエルドアン大統領は、今月5日にロシア南部のソチを訪れてプーチン大統領と会談する予定で、ロシア大統領府は、今後の穀物の輸出についても意見が交わされるとしています。

ウクライナ南部の港では、さらに16隻の貨物船が待機していて、ロシア軍の攻撃が続く中で安全に輸出を継続できるのかが焦点となっています。