コロナと熱中症疑いで救急隊の業務ひっ迫「疲労が蓄積」東京

都内では新型コロナウイルスの患者や熱中症の疑いでの救急搬送が相次いでいて、救急車の出動率が連日95%を超えています。
救急隊の業務がひっ迫した状態が続いていて、東京消防庁の救急部門の担当者は「連続での出動で肉体的にも精神的にも疲労が蓄積し、非常に厳しい状況にある」と話しています。

東京消防庁によりますと、都内では先月から救急車の出動件数が一日に3000件を超える日が相次いでいて、去年の1.5倍になっているということです。

新型コロナウイルスの感染拡大で自宅などで療養している患者の救急搬送が相次いでいるほか、連日の暑さで熱中症の疑いで搬送されるケースが例年よりも大幅に増えていることが理由です。

東京消防庁ではひっ迫する現場の状況を受けて、臨時の救急車を出動させるなどして対応に当たっていますが、救急車の出動率は連日95%を超えているということです。

救急隊の現場の状況について、東京消防庁救急管理課の小笠原英昭係長は「連日の猛暑によって体調を崩して搬送される人に加え、新型コロナの第7波によって搬送先の医療機関がなかなか決まらず、救急隊は消防署に戻ることができないまま、連続して出動をしている状態だ。酷暑の中で全身に防護服を着て対応にあたっているが、感染リスクとも隣り合わせで、肉体的にも精神的にも疲労が蓄積して非常に厳しい状況にある」と話していました。

そのうえで「119番通報が集中すると、一時的に電話につながりにくくなったり、遠くから救急車を向かわせることになるため、必要な救護が遅れてしまったりしてしまう119番通報するかどうか迷った際には、東京都の発熱相談センターなどを利用することも検討してほしい」と呼びかけていました。