ゼレンスキー大統領 南部への砲撃を非難 小麦輸出再開が焦点

ウクライナ南部の港から小麦などの輸出がいつ再開されるかが焦点となるなか、ゼレンスキー大統領は、ロシア軍が数十発のミサイルとロケット弾を、南部ミコライウの住宅や学校などに撃ち込んだとして「戦争の全期間を通じて、最も残忍な砲撃の1つが行われた」などと、厳しく非難しました。

ロシア国防省は31日、ウクライナ南部のミコライウ州やヘルソン州で空爆を行い、ウクライナ軍の兵器などを破壊したと主張しました。

これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は、31日に公開した動画で「戦争の全期間を通じて、ミコライウ市と州に対する最も残忍な砲撃の1つが行われた。数十発のミサイルとロケット弾が住宅や学校、その他の社会基盤や産業施設に撃ち込まれた」と強調しました。

さらに、ウクライナの大手穀物輸出企業の経営者夫妻が、ミコライウ市内の自宅で砲撃により死亡したことについて「世界の食料安全保障を支えてきたのは、まさにこのような人々や企業だ。ロシアのテロリストはウクライナの社会と産業の潜在力を破壊できるなどと期待しないほうがいい」と述べ、ロシアによる攻撃を厳しく非難しました。

ウクライナ産の小麦などの輸出再開をめぐっては、トルコが仲介役を担っていて、カルン大統領首席顧問は地元メディアに対し、1日にも穀物を積んだ船が出港するという見通しを示しています。

ロシア軍がウクライナ南部で激しい攻撃を続けるなか、小麦などの輸出がいつ再開されるかが焦点となっています。