ゼレンスキー大統領 東部ドネツク州住民に避難命じる考え示す

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシア軍は、完全掌握を目指す東部のドネツク州で攻勢を一層強めていて、ウクライナのゼレンスキー大統領は、現地に残る住民に対し、避難を命じる考えを示しました。

ロシア軍は、軍事侵攻を続けるウクライナの東部ドネツク州で、完全掌握を目指して攻勢を強めています。

ドネツク州のキリレンコ知事は、29日のロシア軍による攻撃で市民6人が死亡し、15人がけがをしたと明らかにしました。

こうした中、ウクライナのゼレンスキー大統領は30日、ドネツク州と隣接するルハンシク州の戦闘が続いているエリアに、依然として数十万人の市民が残っていると指摘しました。

そのうえで「より早く、多くの人たちが避難すれば、ロシア軍に殺される人を減らすことができる」と述べ、戦闘が激化しているドネツク州の住民に対し、避難を命じる考えを示しました。

ゼレンスキー大統領は、避難のための支援に全力を挙げるとしています。

また、ベレシチュク副首相は、避難を命じる理由について、ドネツク州で戦闘が激化していることに加え、ロシア軍の攻撃で電気やガスの供給が滞っている状況を挙げ、暖房を使用する冬を迎える前に避難を終える必要があると強調しました。

一方、南部で反転攻勢に出ているウクライナ軍は、29日にロシア軍兵士100人以上を殺害し、戦車7両を破壊したなどと主張し、反撃をさらに強める構えを示しています。