“賃上げなど通じて自律的成長を” 経済財政白書

政府は今年度の「経済財政白書」で、日本経済はウィズコロナの考え方のもとで経済社会活動の継続に取り組んだことで持ち直しの動きも出ているとしたうえで、今後、賃金の引き上げなどを通じて自律的な成長軌道に乗せていくことが重要だと指摘しました。

政府は、日本経済の現状や課題をまとめた今年度の「経済財政白書」を29日公表しました。

この中では、ウィズコロナの考え方のもとで経済社会活動の継続に取り組んだことで個人消費に持ち直しの動きが出ているとしたうえで、コロナの感染拡大が経済に与える影響は低下したとしています。

また、最近の物価高について、物価の上昇率は欧米より低い水準にはあるものの賃金の伸びが十分ではないとしています。

そのうえで、物価上昇と景気後退が同時に進むスタグフレーションに陥らないためにも、今後、賃金の引き上げや官民連携での計画的な投資などを通じて自律的な成長軌道に乗せていくことが重要だと指摘しました。

白書では、経済成長の実現と持続可能な社会保障制度の構築、それに財政の健全化を一体的に推進していくことが必要だとし、IT人材の不足という課題に対応して成長力を拡大するには人への投資が不可欠だと指摘しています。