ウクライナ穀物輸出 “一両日中にも最初の船出港” 国連担当者

ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアは、東部や南部に加え首都キーウ周辺も攻撃し、各地に被害が広がっています。こうした中、ロシア軍による封鎖で滞っていたウクライナの港からの穀物などの輸出について、国連の担当者は一両日中にも最初の船が出港するという見方を示し、食料供給の安定につながるのか注目されます。

ロシア国防省は28日、ウクライナの東部ドネツク州や南東部ザポリージャ州、南部ヘルソン州にある9つの指揮所をミサイルで攻撃したほか、ドネツク州や南部ミコライウ州の6つの弾薬庫を破壊したと発表しました。

また、中部キロボフラード州のライコビッチ知事は28日、SNSに投稿し、州内の都市クロピブニツキーがミサイル攻撃を受け、5人が死亡、25人がけがをしたと明らかにしました。

さらにウクライナ軍の高官は28日、首都キーウ周辺の軍事施設に、巡航ミサイル6発が撃ちこまれ、施設の建物が倒壊したことを明らかにし、各地に被害が広がっています。
こうした中、国連で人道問題を担当するグリフィス事務次長は28日、ニューヨークで記者会見し、ロシア軍による封鎖で滞っていたウクライナの港からの穀物などの輸出について、いくつかの手続きが残っているとしながらも、最初の船が早ければ28日から29日にかけて出港するという見方を示しました。

今月27日には、ロシアとウクライナが仲介役のトルコと国連と交わした合意に基づいて、船の安全な航行を監視する「共同調整センター」がトルコのイスタンブールに設置され、輸出再開に向けた準備が進められていました。

世界的に食料価格が高騰するなか、輸出が順調に再開され、食料供給の安定につながるのか注目されます。