プーチン大統領 トルコ大統領と会談へ 小麦の輸出再開めぐり

ロシアのプーチン大統領は19日、イランでトルコのエルドアン大統領と軍事侵攻後、初めて対面での会談を行う予定で、ロシア軍による封鎖で滞っているウクライナ南部の港からの小麦などの輸出再開について意見を交わす見通しです。

小麦の輸出量が世界第5位のウクライナではことしの収穫が始まっていますが、ロシア軍による封鎖で、黒海に面する南部の港からの輸出が滞っているため出荷のめどが立たず、農家には不安が広がっています。

このうち、首都キーウ近郊の農家、ビクトル・シェリメタさんの小麦畑ではおよそ2500トンの収穫が見込まれていますが、軍事侵攻が始まってからは、出荷が止まっています。

シェリメタさんは「港の封鎖が続けば出荷できず、多くの農家が破産するだろう」と話していました。

こうした中、プーチン大統領はイランの首都テヘランを訪問し、19日、トルコのエルドアン大統領と軍事侵攻後、初めて対面での会談を行う予定です。

世界的な食料危機への懸念が強まる中、小麦など農産物の輸出再開を目指してロシアとウクライナ、仲介役のトルコと国連による大詰めの協議が開かれるのを前に、最終合意に向けて意見を交わす見通しです。

また、イランのライシ大統領や最高指導者ハメネイ師とも会談を行い、イランの核開発問題や欧米の経済制裁への対応が議題となる見通しで、経済など両国の戦略的な連携を強化し、欧米をけん制するものとみられます。