ウクライナ 西部の町にミサイル攻撃 多数の民間人が犠牲に

ウクライナでは西部の町で巡航ミサイルにより子どもを含む23人が死亡するなど、ロシア軍の攻撃が続く中、犠牲者が増えています。アメリカ国防総省の高官は、ここ1週間から2週間の間に100人から150人の民間人が犠牲になったという見方を明らかにしました。

ウクライナ西部のビンニツァ州では14日、町の中心部がロシア軍のミサイルによる攻撃を受け、ウクライナの非常事態庁は子ども3人を含む23人が死亡したと発表しました。

またアメリカ国防総省の高官は15日、戦況の分析について明らかにし、ウクライナ西部のビンニツァ州で14日、ロシア軍のミサイル攻撃で多くの民間人が殺害されたと指摘しました。

そのうえでロシア軍の攻撃によって、ウクライナ国内でここ1週間から2週間の間に100人から150人の民間人が犠牲になったという見方を明らかにしました。

またウクライナ東部の戦闘については、ロシア軍はウクライナ側の抵抗に阻まれ、前進は限定的だとして、東部ドネツク州でウクライナ軍が拠点とするスロビャンシクへの侵攻はまだできていないと分析しています。

一方、ロシア軍による封鎖で、黒海に面するウクライナ南部の港からの小麦などの輸出が滞っている問題で、ロシアとウクライナは仲介役のトルコと国連を交えて、来週、再び協議を行う予定です。

これについてロシア国防省のコナシェンコフ報道官は15日、「合意文書の起草作業はまもなく完了する」などと述べ、食料を輸送するルートを黒海に確保する方向で関係国との協議が大詰めを迎えていると明らかにしました。

来週19日には、トルコのエルドアン大統領もロシアのプーチン大統領と会談して直接、働きかける見通しで、国際的に食料危機への懸念が強まる中、ウクライナの小麦などの輸出再開につながるか注目されます。