ウクライナ “戦争犯罪”の捜査めぐり特別法廷の設置訴え

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナで行われた疑いのある戦争犯罪の捜査をめぐってオランダで開かれた国際会議で、ウクライナのゼレンスキー大統領とクレバ外相は、ロシアの政府や軍の指導者の責任を確実に問うことができるよう、特別法廷の設置を訴えました。

ウクライナで行われた疑いのある戦争犯罪などの捜査を行っているICC=国際刑事裁判所があるオランダのハーグで、14日開かれた国際会議には、ICCのカーン主任検察官のほか欧米などの40を超える国から外相や大使などが出席し、ウクライナのゼレンスキー大統領とクレバ外相もオンラインで参加しました。

この中でゼレンスキー大統領は「軍事侵攻という重大な犯罪に関わる決定をした者たち全員に、処罰は免れないという原則を適用しなければならない」と強調しました。

また、クレバ外相は「ウクライナは侵略犯罪を犯したロシアを非難する。犠牲になった多くの人たちのため、あらゆる手段で正義を追い求める」と述べたうえで、ロシアの政府や軍の指導者の責任を確実に問うことができるよう、特別法廷の設置を訴えました。

終了後の記者会見では、特別法廷をめぐる質問が相次ぎ、オランダのフクストラ外相が前向きに検討する姿勢を示した一方で、ICCのカーン主任検察官は「できないことではなく、できることに集中したい」などと述べるにとどめました。