宮城で記録的な大雨 九州・山口で線状降水帯のおそれ 厳重警戒

低気圧と前線の影響で西日本から北日本の広い範囲で大気の状態が非常に不安定になり宮城県では15日夜、1時間におよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられ「記録的短時間大雨情報」が発表されました。
宮城県では災害の発生する危険性が非常に高まっているほか、九州と山口県でも16日の午前中にかけて線状降水帯が発生して急激に雨量が増えるおそれがあり、土砂災害や川の氾濫、低い土地の浸水に厳重な警戒が必要です。「梅雨末期」のような大雨となって災害が発生するおそれもあり、安全な場所で過ごすようにしてください。

気象庁によりますと、日本列島に伸びる前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、西日本から北日本の広い範囲で大気の状態が非常に不安定になっています。

レーダーによる解析で
▽宮城県の東松島市付近では15日午後10時50分までの1時間に
▽松島町付近では午後11時半までの1時間に、
▽大郷町付近では16日午前0時までの1時間に
いずれもおよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられ気象庁が「記録的短時間大雨情報」を相次いで発表しました。

宮城県では災害の発生する危険性が非常に高まっています。
安全を確保するようにしてください。

この時間、雨雲は東北や九州で発達していて午前0時までの1時間には
▽長崎県新上五島町で68ミリ、
▽鹿児島県日置市で53.5ミリ、
▽宮城県大衡村で52.5ミリの非常に激しい雨が降りました。

これまでの雨で、宮城県と岩手県、福島県では土砂災害の危険性が非常に高まり、「土砂災害警戒情報」が発表されている地域があります。

16日午前中にかけ前線の活動活発に 17日にかけ停滞

今後の見通しです。

16日午前中にかけて前線の活動が活発になると予想され、奄美地方を除く九州南部と九州北部、それに山口県では、発達した積乱雲が次々と連なる線状降水帯が発生し、急激に雨量が増えるおそれがあります。

前線は17日にかけて停滞する見込みで、西日本から北日本の広い範囲で大気の不安定な状態が続き、局地的に、雷を伴って1時間に50ミリ以上の非常に激しい雨が降るおそれがあります。

16日夕方までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで
▽九州北部と南部で250ミリ、
▽四国と近畿、東北で150ミリ、
▽東海で120ミリ、
▽奄美と中国地方、新潟県、関東甲信で100ミリ、
▽北海道で80ミリと予想されています。

さらに、17日夕方までの24時間に降る雨の量は、いずれも多いところで
▽東海と北海道で100ミリから150ミリ、
▽九州南部と北陸、新潟県、関東甲信、東北で50ミリから100ミリと予想されています。

特に九州北部と南部では線状降水帯が発生した場合、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあります。

九州や、ふだんは雨量が少ない東北でもこれまでの雨ですでに地盤が緩んでいるところがあり、そうした中で雨が降り続くと災害の危険性が非常に高まるおそれがあります。

「梅雨末期」のような大雨 災害発生のおそれ

気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、それに川の氾濫などに厳重に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風にも十分注意するよう呼びかけています。各地で「梅雨末期」のような大雨となって災害が発生するおそれもあり、雨の降り方や自治体からの避難に関する情報をふだんよりこまめに確認し、危険が差し迫る前から安全な場所で過ごすようにしてください。

気象庁「災害発生の危険度が急激に高まるのが特徴」

気象庁は15日午後、今後の見通しなどについて担当者が説明し、九州では前線が南下するため発達した雨雲がかかりやすく、特に前線の南側を中心に暖かく湿った空気が西や南から合流することで15日夜から16日の午前中にかけて線状降水帯が発生する可能性が高まったとしています。

気象庁予報課の池田徹予報官は「積乱雲が同じような地域に次から次へと流れ込んでくる可能性がある。非常に激しい雨が長時間降り続き、降水量が急激に多くなっていくおそれがある」と指摘しました。

そのうえで「災害発生の危険度が急激に高まるのが特徴で、それから準備を始めては間に合わない。明るいうちから避難経路やハザードマップなどを確認し、地域でどのような災害が起きやすいかなどを把握しておくことが重要だ。そしていざ避難するときに慌てないよう持ち出す物の準備などを早めに進めてほしい」としています。

このほか東北の太平洋側などこれまでにすでに大雨になっているところに暖かく湿った空気が流れ込むことで雨の量がさらに増え、災害リスクが高まるとしています。

池田予報官は「地盤が緩んでいるところや河川が増水しているところでは通常よりも少ない雨で災害が発生するおそれがあるので、気象庁の危険度分布=キキクルなども参考に最新の気象情報や自治体からの防災情報を確認して十分注意してほしい」と呼びかけました。

警戒が必要な時間帯は(15日 14時現在)

各地の大雨に特に警戒が必要な時間帯と警報級の大雨が降るおそれがある時間帯は次のとおりです。

東北や新潟県、東海、九州南部ではすでに警報級の大雨となっているところがあります。

そのうえで特に警戒が必要な時間帯は
▽東北では16日朝にかけて
▽新潟県と東海では15日夕方にかけて
▽九州北部では15日夜から16日の夜遅くにかけて
▽奄美地方を除く九州南部では16日の夜遅くにかけてです。

このほか
▽北海道では16日の朝から17日にかけて
▽東北と北陸、新潟県、東海では17日にかけて
▽関東甲信と近畿、中国地方では16日の夜遅くにかけて
▽四国では15日夜から16日の夜遅くにかけて
警報級の大雨になるおそれがあります。

気象庁はこれまで大雨となった地域では土砂災害の危険度が高い状態になっているところがあり、低い土地の浸水や河川の増水や氾濫に引き続き警戒するよう呼びかけています。

これらは15日午後2時現在の情報です。予想を上回る大雨になることがあります。最新の情報に注意するようにしてください。

「線状降水帯の予測」とは

発達した積乱雲が次々と連なる「線状降水帯」の発生のおそれが高まった場合、気象庁は先月から気象情報の中で警戒を呼びかけることになりました。

幅を持って発表 災害への心構えを高めて

発表されるのは大雨が予想される「半日から6時間前まで」で、呼びかける範囲は主に全国11の地方ごとに行われるほか、対象とする時間帯も「朝」や「夜」などと幅を持って発表されます。

気象庁は情報が出されたら危機感を高めてもらい、ハザードマップや避難場所、避難経路を確認するなどして災害に備えてもらいたいとしています。

“出てないから安全”ではない

一方で精度には限界もあります。

気象庁によりますと、過去の事例からみた“的中率”は全国で2回に1回程度、地方単位では4回に1回程度で、情報が出ない中で線状降水帯が発生するいわゆる“見逃し”も3回に2回程度あるということです。

『予測が出ていない地域が安全だ』というわけではありません。

急激に状況が悪化した場合は早めに安全な場所に移動するようにしてください。

状況悪化すると“顕著な大雨に関する情報”

発達した積乱雲が次々と流れ込み、非常に激しい雨が同じ場所に降り続くと「顕著な大雨に関する情報」が発表されます。

しかしこの情報が発表される時点では土砂災害や洪水が起きる危険性が急激に高まり、すでに外に出ることが危険になっているおそれがあります。

気象庁は自治体の避難情報などをもとに、早めの避難を心がけるよう呼びかけています。