がん患者の遺族を支える “診療方法ガイドライン” 学会が作成

家族ががんで亡くなり、深い悲しみを抱える遺族を支える診療方法についてのガイドラインを、専門の学会が初めてまとめ「遺族のケアについての理解を広げたい」としています。

ガイドラインは、日本サイコオンコロジー学会と日本がんサポーティブケア学会が作り14日、記者会見して発表しました。

日本人の3人に1人は、がんで亡くなりますが、ガイドラインでは、家族をがんで亡くした遺族のおよそ85%は、数か月で悲しみからくる反応が自然に収まる一方、一部の人は、うつ病やPTSD=心的外傷後ストレス障害のほか、悲しみからくる「複雑性悲嘆」と呼ばれる反応や症状が長く続くことがあり、診療の必要があるとしています。

そして、遺族に特徴的にみられる「複雑性悲嘆」のある人については、亡くなった人に再会したい願望から「死にたい」という気持ちが出ることがあるなどとしていて、うつ病になっていない場合には、薬による治療ではなく、現実と向き合うための認知行動療法を行うなどとしています。

がんの遺族などのケアを行う外来がある医療機関は、全国で50に満たず限られているということで、ガイドラインをまとめた国立がん研究センター中央病院精神腫瘍科の松岡弘道科長は「ケアが必要な状態だと知らない遺族もいる。専門に診療する医師も少ないので、ガイドラインを通じてケアへの理解を広げたい」と話しています。