“第7波入った”「大阪モデル」警戒示す黄色に 往診依頼が急増

新型コロナウイルスの感染者の増加を受けて、大阪府の吉村知事は記者団に対し「大阪の感染状況は第7波に入ったとみるのが適切だ」と述べました。

大阪府は11日、対策本部会議を開き、感染状況などを伝える独自の基準「大阪モデル」を「警戒」を示す「黄色」に引き上げることを決めました。

大阪では自宅療養者や入院調整中の人の数が3万5000人を超え、往診の依頼が急増していて、医師が対応に追われています。

大阪府内 “前週同曜日比2倍以上”続く

大阪府内では、新たな感染者が前の週の同じ曜日と比べて2倍以上に増える日が続いています。

「大阪モデル」警戒示す“黄色”に引き上げ

こうした状況を受けて、大阪府は11日、対策本部会議を開き、はじめに吉村知事が「新型コロナの感染状況は、第7波の入り口に入っていると考えるべきだ。一人ひとりの基本的な感染対策をお願いすると同時に、重症化するリスクが高い人をいかに守るかに注力すべきだ」と述べました。

会議では、感染状況などを伝える独自の基準「大阪モデル」について、感染者数が明らかに増加傾向にあり、病床の使用率が10日、20%を上回ったことから「警戒」の基準に達したとして、いまの「警戒解除」の緑色から「黄色」に引き上げることを決めました。
大阪モデルを「黄色」にするのは11日からで、通天閣を黄色くライトアップするなどして、府民に感染対策の徹底を呼びかけることにしています。

合わせて、重症化するリスクの高い高齢者の感染対策を強める必要があるとして、高齢者施設での面会を原則自粛するよう要請することを決めました。

吉村知事「第7波に入ったとみるのが適切だ」

対策本部会議のあと、吉村知事は記者団に対し「大阪の感染状況は全国と同様に拡大傾向にあり、第7波に入ったとみるのが適切だ」と述べました。

そのうえで「飲食店への時短要請や人数制限は現時点では考えていないが、一人ひとりの感染対策の徹底をお願いしたい。少しでも症状がある場合は早めに検査を受けるとともに、3回目のワクチン接種がまだの人は早期の接種をお願いしたい」と呼びかけました。

自宅療養者からの往診の依頼が急増

新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、自宅療養中の感染者を治療する医師のもとには往診の依頼が急に増加し、対応に追われています。
新型コロナの感染が急激に再拡大し、大阪府内の自宅療養者や入院調整中の人の数は、2週間前の6月27日は1万人余りでしたが、7月11日は3万5000人余りとなり、急増しています。
自宅療養者の往診を行っている大阪 生野区にある診療所の医師らでつくるチームには、往診の要請が2週間ほど前から一日に数件ほど入るようになり、先週からは一日7件ほどと、一気に増えたといいます。

6日に往診した大阪市内の80代の男性は、数日前に自宅に遊びに来た小学生の孫から感染したとみられ、せきやのどの痛み、息苦しさなどの症状を訴えていました。
糖尿病などの持病もあることから、コロナの治療薬が投与され、翌日、再び往診した際には、症状が改善してきていたということです。

往診チームによりますと、ワクチンを接種していなかったり、前回の接種から期間があいている人は、症状が重くなる傾向がみられるということです。

また、高齢者は症状が悪化するリスクが高く、入院に至るケースがみられるということです。

10日の感染者のうち、60歳以上の高齢者が占める割合はおよそ11%で、往診を行っている葛西医院の小林正宜院長は、今後、この割合が高まり、医療提供体制がひっ迫することを懸念しています。

院長「明らかに増え方は急なので心配」

小林院長は「明らかに増え方は急なので、これからどこまで増えていくんだろうという心配はあります。だんだんとふだんの生活に戻りつつある中で、日常の手洗いとかマスクすることに気をつけながら、高齢者や重篤な基礎疾患を持っている方、リスクが高い方をしっかりと守っていくということが重要だと思います」と話していました。