ロシア 部隊再編か ゼレンスキー大統領 欧米兵器での反撃強調

ロシア軍は、ウクライナ東部ドネツク州の完全掌握を目指し、軍の部隊を再編しながら、拠点都市への攻勢を続けているとみられます。
これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は、欧米から供与された兵器を効果的に活用して反撃しているとして、徹底抗戦する構えを示しました。

ウクライナに侵攻するロシア軍は、東部ドネツク州の完全掌握に向けて戦力を集中させ、攻勢を強めています。

ロシア国防省は6日、ドネツク州でウクライナ側の拠点となっているクラマトルシク近郊で、アメリカが供与した高機動ロケット砲システム=ハイマース2基をミサイル攻撃で破壊したと主張するなど、欧米の軍事支援を強くけん制していると見られます。

これについてウクライナ軍は声明を発表し「フェイク以外の何ものでもない」として、ハイマースは破壊されていないと反論しています。

一方、イギリス国防省は7日に発表した分析で「ドネツク州の最前線では激しい砲撃が続くが、ロシア側の領土の掌握はわずかにとどまっている。ロシアは部隊の再編にとりかかっているとみられる」と指摘しています。

また、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も6日「ロシア軍は、より重要な攻撃作戦を準備するために必要な戦闘能力を再建しようとしている」と分析しています。

ロシアのプーチン大統領は、今月4日、ショイグ国防相に対して、掌握したと宣言した東部ルハンシク州での戦闘が激しい消耗戦となったことをうけて「まず休息をとり、戦闘能力を高める必要がある」と述べていて、ドネツク州の掌握に向け、部隊を立て直しているとみられます。

これに対し、ウクライナのゼレンスキー大統領は6日、新たな動画を公開し「パートナーから受け取った兵器が非常に強力に機能し始めた。ロシア軍の損失は拡大し、補給もますます困難になるだろう」と強調しました。

ウクライナ側は、欧米から供与された兵器を効果的に活用して反撃しているとして徹底抗戦する構えで、一進一退の攻防が続く見通しです。