ロシア軍 ドネツク州拠点都市へ攻勢 ウクライナ側は徹底抗戦

ロシア軍は、ウクライナ東部ドネツク州の完全掌握を目指し、拠点都市への攻勢を強めています。これに対してウクライナ側は欧米の軍事支援を受け徹底抗戦する構えで、戦況はこう着する見通しです。

ウクライナ東部のルハンシク州を掌握したとするロシア軍は、隣接するドネツク州の完全掌握に向けて戦力を集中させ、攻勢を強めています。

ロシア国防省は6日、ドネツク州でウクライナ側の拠点となっているクラマトルシク近郊で、アメリカが供与した高機動ロケット砲システム=ハイマース2基をミサイル攻撃で破壊したと主張するなど、欧米の軍事支援を強くけん制していると見られます。

ドネツク州のキリレンコ知事はSNSで、ロシア軍が5日、州内のウクライナ側の拠点の1つスロビャンシクの中央市場を砲撃し、少なくとも2人が死亡、7人がけがをしたと発表しました。

その上で「ロシア軍は市民が集まる場所をわざと狙っている。完全なテロだ」と非難しました。

戦況を分析しているイギリス国防省は6日、ロシア軍の部隊がスロビャンシクの北およそ16キロに迫っているとして、今後、スロビャンシクが主戦場になるという見通しを示しました。

こうした中、ウクライナ側は欧米の軍事支援を受け徹底抗戦する構えで、ドネツク州の戦況はこう着が予想されます。

一方、ウクライナへの侵攻についてプーチン大統領の最側近の1人、パトルシェフ安全保障会議書記は4日、「特別な軍事作戦の目標は達成される」と強調した上で、ウクライナの「非軍事化」や「中立化」などを目標に掲げました。

これについて、アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は5日に発表した分析で「プーチン大統領が侵攻当初の2月に掲げた目標から変わっておらず、これはロシアが依然としてゼレンスキー政権の打倒や、東部2州にとどまらない領土の支配を目指していることを示唆している」として、プーチン政権は東部2州を掌握しても侵攻を続けるだろうという見方を示しました。