NATO首脳会議閉幕 加盟国の安全保障確保へ結束確認

スペインで開かれているNATO=北大西洋条約機構の首脳会議は30日、2日目の会議を終え、中東やアフリカ諸国と連携したテロ対策の強化など、今後も加盟国の安全保障を確保するために結束していくことを確認して閉幕しました。

NATO首脳会議の2日目の会議は、スペインのマドリードで、日本時間の30日午後5時すぎから、およそ2時間行われ、中東やアフリカ諸国と連携したテロ対策の強化などをめぐって意見が交わされました。

会議のあと、NATOのストルテンベルグ事務総長は記者会見で、ロシアを「もっとも重大で直接的な脅威」と位置づけた「戦略概念」を採択したことを踏まえ「NATOはこれからも平和を守り、紛争を防ぎ、加盟国の国民と価値観を守っていく」と述べました。

そのうえで、ストルテンベルグ事務総長は「われわれは、この何十年もの間で、もっとも深刻な安全保障環境に直面しているが、各国で結束し強い決意をもって対応していく」と述べ、中東やアフリカ諸国と連携したテロ対策の強化など、今後も加盟国の安全保障を確保するために結束していくことを確認したとしています。

NATOの首脳会議は、すべての日程を終えて閉幕しました。

中国外務省 「戦略概念」に強く反発

NATO=北大西洋条約機構が採択した「戦略概念」で、中国について、NATOの安全保障や利益、価値観に課題をもたらす存在だと言及したことについて、中国外務省の趙立堅報道官は、30日の記者会見で「中国の外交政策を中傷し、通常の軍事的な発展や国防政策にあれこれと言って対立をあおっている。冷戦思考とイデオロギー的な偏見に満ちあふれているもので、厳重な懸念を表明し、断固反対する」と強く反発しました。

そのうえで趙報道官は、今回の首脳会談に日本や韓国なども出席したことについて「NATOは、アジア太平洋地域にもその触手を伸ばし、冷戦思考によって陣営による対立を起こそうとたくらんでいる」とけん制しました。