ウクライナ ショッピングセンター攻撃で新たな “証拠”公開

ロシア軍はウクライナへのミサイル攻撃を強化していると見られ、27日に攻撃を受けたウクライナ中部のショッピングセンターでは、これまでに少なくとも20人の死亡が確認されました。ウクライナのゼレンスキー大統領は、ショッピングセンター攻撃の「証拠だ」とする新たな映像を公開し、ロシアを厳しく非難しました。

ウクライナ各地では、ロシア軍によるミサイル攻撃が激化していて、ウクライナ中部のポルタワ州では27日、クレメンチュクにあるショッピングセンターがロシア軍から攻撃を受けました。

ショッピングセンターの近くの公園で撮影された映像では、公園の芝生や池などに、空から大きな破片が落ちてくる様子が確認できます。

別の角度の映像では、ジョギングをしていた人が転倒し、その直後に池に飛び込む様子も確認できます。

ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官によりますと、これまでに少なくとも20人の死亡が確認されたほか、59人がけがをしているということです。

また、行方不明者の情報も40件以上寄せられているということで、救助活動が続けられています。

一方、ロシア側は今回の攻撃はショッピングセンターを意図的に狙ったものではないと主張しています。

ロシア国防省は28日、欧米側からウクライナに送られた武器や弾薬が保管された倉庫を攻撃した結果、弾薬が爆発し、隣接するショッピングセンターで火災が発生したと説明し、ロシア大統領府のペスコフ報道官も、「ウクライナ側が言うようなショッピングセンターへの攻撃ではない」としています。

ゼレンスキー大統領「ロシア ミサイル意図的に命中させた」

ウクライナのゼレンスキー大統領は28日、新たな動画を公開し、「クレメンチュクのショッピングセンターへのミサイル攻撃について、欺くことがないようひとつの証拠をあげたい」と述べたうえで、同じ動画の中で、ミサイルのような物体が着弾して爆発し、広い範囲に破片が吹き飛ぶ様子をとらえた映像を公開しました。

場所などについての詳しい情報はありませんが、ゼレンスキー大統領は、「クレメンチュクで起きたことだ」としたうえで、「ロシアはミサイルを意図的に命中させた。平和な街のショッピングセンターで、できるだけ多くの人を殺害したかったのだ」と述べました。

そして、「この国家テロは、ほかのすべての行為と同様に、ロシアが責任を負うことになるだろう」と述べ、ロシアを厳しく非難しました。

屋根が焦げ一部崩落 人工衛星からの画像

ミサイル攻撃を受けた中部ポルタワ州クレメンチュクのショッピングセンターを攻撃のあった翌日の28日に人工衛星から撮影した画像です。

横幅と奥行きがそれぞれ100メートルほどある大型のショッピングセンターですが、攻撃前の画像と比べると、屋根の大部分が黒く焦げているほか、一部は大きく崩落しているのがわかります。

周辺には、壊れた建物の一部が飛び散っている様子もうかがえます。

また、ショッピングセンターの周囲には建物が建ち並んでいますが、画像からはショッピングセンター以外に目立った被害は確認できません。

近くの公園の映像 空から大きな破片

ロイター通信は、27日にミサイル攻撃を受けたクレメンチュクにあるショッピングセンターの近くの公園の映像を配信しました。

それによりますと、公園の芝生や池などに、空から大きな破片が落ちてくる様子が確認できます。

別の角度の映像では、ジョギングをしていた人が転倒し、その直後に池に飛び込む様子も確認できます。