ロシア 商業施設への攻撃で20人死亡 国連安保理 緊急会合開催

ロシア軍はウクライナへのミサイル攻撃を強化していると見られ、27日に攻撃を受けたウクライナ中部のショッピングセンターでは、これまでに少なくとも20人の死亡が確認されたほか、行方不明者の情報が40件以上寄せられていて、救助活動が続けられています。

国連の安全保障理事会は日本時間の29日朝に緊急会合を開き、冒頭、ビデオメッセージでウクライナのゼレンスキー大統領がロシアを厳しく非難しました。

ウクライナ各地ではロシア軍によるミサイル攻撃が激化していて、ウクライナ中部のポルタワ州では27日、クレメンチュクにあるショッピングセンターがロシア軍から攻撃を受けました。

ウクライナ大統領府のティモシェンコ副長官によりますと、これまでに少なくとも20人の死亡が確認されたほか、59人がけがをしているということです。

また、行方不明者の情報も40件以上寄せられているということで、救助活動が続けられています。

一方、ロシア側は今回の攻撃はショッピングセンターを意図的に狙ったものではないと主張しています。

ロシア国防省は28日、欧米側からウクライナに送られた武器や弾薬が保管された倉庫を攻撃した結果、弾薬が爆発し、隣接するショッピングセンターで火災が発生したと説明し、ロシア大統領府のペスコフ報道官も「ウクライナ側が言うようなショッピングセンターへの攻撃ではない」としています。

この事態を受け、国連の安全保障理事会は、日本時間の午前4時すぎから緊急会合を開き、冒頭、ビデオメッセージでウクライナのゼレンスキー大統領が「ロシアによるテロ攻撃だ」などとロシアを厳しく非難しました。

このあと、欧米を中心とした各国からもロシアを強く批判する声が相次ぎました。

こうした中、ロシアのプーチン大統領は28日、ウクライナへの軍事侵攻以降初めてとなる外国訪問として、中央アジアのタジキスタンを訪れました。

ラフモン大統領との首脳会談の冒頭、プーチン大統領は「われわれの関係は深い信頼に基づいており、あらゆる分野で積極的に協力している」と述べ結束を強調しました。

ロシアに対し欧米各国は、G7サミット=主要7か国首脳会議に続いて、29日からNATO=北大西洋条約機構の首脳会議も開き、対応を協議する中、プーチン大統領としてはロシアの勢力圏である旧ソビエト諸国の引き締めを図り欧米側をけん制する思惑もあるとみられます。