「八丁みそ」地域ブランド登録裁判 老舗メーカーの訴え退ける

愛知県内のみそメーカーなどの組合が申請した「八丁味※そ」が国の地域ブランドに登録されたことについて、「八丁味※そ」の発祥の地とされる愛知県岡崎市の老舗メーカーが不服として登録の取り消しを求めていた裁判で、東京地方裁判所は老舗メーカーの訴えを退けました。

※「味※そ」の「そ」は口へんに曽。

東海地方で広く食べられている赤黒い色みと濃厚な味わいが特徴の豆みそ「八丁味※そ」は、愛知県内のみそメーカーなどでつくる組合の申請を受けて、2017年に伝統的な農産物などを保護する国の制度で、愛知県の地域ブランドとして登録されました。

これについて「八丁味※そ」の発祥の地とされる岡崎市八帖町で江戸時代から続くみそメーカーで、伝統的な製法とは異なるなどとしてこの組合に加盟していない「まるや八丁味※そ」は「長年、『八丁味※そ』の名称で豆みそを販売してきたのに今後はできなくなる」として、国に登録を取り消すよう求めていました。

28日の判決で、東京地方裁判所の中島基至裁判長は、老舗メーカーは今回の登録の取り消しを求める立場にないと判断しました。

そのうえで「老舗メーカーは制度上、2026年までは「八丁味※そ」の名称を使用することが可能で、その後も、地域ブランドに登録されたものとは異なることがわかるような記載をすれば「八丁味※そ」の表示が使えるため、救済の必要性もない」として、訴えを退けました。

老舗メーカー「極めて残念」

訴えを起こしていた「まるや八丁味※そ」は判決について「当社の主張の正当性が認められず極めて残念です。判決内容を十分に検討した上で、適切に対応していきます。今後も江戸時代から続く八丁みその伝統を後世に伝え続けるために努力してまいります。具体的な見解については、追って説明させて頂きます」とコメントしています。

また、制度を所管する農林水産省知的財産課は「原告には、登録を受けている組合とともに、愛知県の共有財産として『八丁味※そ』を守っていってほしい」とコメントしています。

「地理的表示保護制度」と八丁みそ

伝統的な生産方法や生産地の特性が品質などに結びついている農水産物や食品を国が登録・保護する「地理的表示保護制度」は、2015年に導入されました。

商標の制度とは違って、名前だけでなく品質などを含めた地域ブランドとして保護することが目的で、ことし3月末までに「夕張メロン」や「神戸ビーフ」など、合わせて119の品目が登録されています。

登録された地域ブランドは「GIマーク」という認定マークが与えられ、国のいわば「お墨付き」が得られることになります。

「八丁味※そ」については、岡崎市にある「まるや八丁味※そ」などの老舗みそメーカーが加盟する組合と、愛知県内の醸造業者40社余りが加入する組合の双方が登録を申請しました。

しかし、老舗みそメーカー側は生産地を「岡崎市」として登録を求めたのに対し、農林水産省が生産地を「愛知県」にするよう求めたことから申請を取り下げ、組合側の申請が認められました。

このため「まるや八丁味※そ」は「申請した組合に加盟する会社の製品は伝統的な製法で生産された豆みそと製造方法や品質に大きな違いがある」などとして、地域ブランドとしての登録を取り消すよう求めていました。