中国 四国 近畿 今後も雨少ないか 農作物の管理などに注意を

気象庁が28日梅雨明けを発表した中国地方と四国、それに近畿では先月上旬ごろから雨の量が少なく、平年の半分に達していないところもあります。
今後10日間程度は雨の少ない状態が続くと予想されるため、気象庁は農作物や水の管理などに十分注意するよう呼びかけています。

気象庁によりますと、西日本では先月上旬ごろから低気圧や前線、湿った空気の影響を受けにくく、雨の少ない状態が続いています。

先月1日から27日までの降水量は、
▽松江市で平年の34%の92.5ミリ、
▽広島市で平年の36%の130ミリと平年の3割余りにとどまっているほか、
▽高松市で平年の43%の100.5ミリ、
▽大阪市で平年の61%の181ミリなどとなっています。

気象庁は28日午前、西日本各地の梅雨明けを発表していて、今後10日間程度は高気圧に覆われて晴れる日が多く、まとまった雨が降る可能性は低い見込みです。

気象庁は中国地方と四国、それに近畿に「少雨に関する気象情報」を発表し、農作物や水の管理などに十分注意するよう呼びかけています。

西日本を中心に雨が少ない状態 6つの水系で取水制限

各地で梅雨明けが発表されていますが西日本を中心に5月から雨の少ない状態が続き、四国や中国地方、それに九州北部の合わせて6つの水系で取水制限が行われています。

貯水率が平年より大幅に低いダムもあり、国などで作る協議会が節水を呼びかけています。

国土交通省によりますと6月28日時点では
▽九州で1水系
▽中国地方で2水系
▽四国で3水系の合わせて10のダムで取水制限が行われています。

四国 貯水率大幅に低いダムも

このうち、
▽愛媛県の水源となっている銅山川の上流にある3つのダムを合わせた貯水率は28日時点で17.7%と、平均より60ポイント近く低くなっているほか、▽「四国の水がめ」とも言われ、高知県の吉野川上流にある早明浦ダムの貯水率は34.9%と平年よりも50ポイント以上低くなっています。

国と四国4県などで作る協議会は農業用水や工業用水に加え、水道用水について取水制限を行っていますが、貯水率が30%程度にまで低下した場合、水の供給量を50%削減する第3次取水制限を行う見通しだということです。

四国地方整備局によりますと、貯水率30%には早ければ7月2日にも到達する見通しだということです。

さらに、このまま雨が降らない状態が続いた場合、7月の中旬ごろには貯水率がゼロになるおそれもあるということで、この場合、一般家庭にも影響が出る可能性があるということです。

中国地方 新たに取水制限実施予定も

また、中国地方ではすでに取水制限を行っている2水系に加え、岡山県を流れる旭川水系の旭川でもダムの貯水率が急速に低くなっていて7月4日から取水制限を行うことが決まっています。

関東 ダム貯水量はおおむね平年通り

一方、このほかの地域では今のところ取水制限は行われていません。

関東の水がめとされる利根川水系の9つのダムについては、28日時点での貯水量はおおむね平年と同程度で、直ちに水不足の懸念がある状況ではないということです。

ただ、今後の雨の降り方によっては水不足となる可能性もあり、ダムを管理する関東地方整備局の担当者は「このまま雨の少ない状態が続けば水不足になるおそれはあり、日ごろからの節水を心がけていただきたい」としています。

田植えができない水田も 広島 世羅町

中国地方は先月上旬から平年に比べて降水量の少ない状況が続いていて、広島県内の農家には水不足で一部で田植えができないなどの影響が出ています。

世羅町にある農産物の生産販売会社では、地域のおよそ30戸の農家から合わせて26ヘクタールの水田を預かって稲作を行っています。

しかし、世羅町では梅雨入りした今月14日から27日までの降水量が35ミリと、平年の同じ時期と比べて3分の1と少なくなっています。

このため、この会社では雨水をためて行っていた田植えができなくなり、50アールの田んぼでことしの稲作を断念したということです。

作田博取締役は「水不足で田植えができなかったことはこれまで記憶にない。残念だが、ことしは稲作は諦めて水が少なくても育つ野菜の栽培に転換しようと思う」と話していました。

農家からは水不足に対する懸念の声 松山

この雨の少なさに農家からは水不足に対する懸念の声が上がり始めています。

松山市の農家、一色覚さん(73)は、石手川につながる用水路から田んぼに水を引いてコメを栽培しています。

田植えのあとの6月から7月上旬にかけては稲の生育に水が必要な時期で、田んぼに10センチから15センチほど水をためておかなくてはならないということです。

しかし、ことしは雨の少ない状況が続き、石手川ダムの貯水率は平年に比べると大幅に低く、今月21日には農業用水の取水制限も始まりました。

今のところ農作業に必要な水は確保できているものの、一色さんはこの状況が続くと、水不足になりコメの栽培に影響が出ないか懸念しているということです。

一色さんは「ことしは田植え前から雨が少なく、梅雨に入って一息つけるかと思ったら、もう梅雨が明けたということでびっくりしています。このまま雨が降らなければ稲の生育や収穫にも影響して大変なことになると思います。一日も早くまとまった雨が降ってほしいです」と話していました。