トルコ“クルド組織へ軍事作戦” 北欧2国のNATO加盟揺さぶりか

トルコのエルドアン大統領は、隣国シリアのクルド人武装組織に対する軍事作戦に踏み切る構えを示しました。トルコは、北欧のスウェーデンとフィンランドが「クルド人武装組織を支援している」と主張して、両国のNATO=北大西洋条約機構への加盟に難色を示しており、28日に加盟に向けた協議が行われるのを前に揺さぶりをかけた形です。

トルコは、クルド人武装組織の脅威から自国を守るためだとして、隣国シリアの北部で軍事作戦を実施すると、繰り返し示唆してきました。

エルドアン大統領は27日に閣議後の記者会見で「準備が整いしだい、シリアで軍事作戦を開始する」と述べ、新たな軍事作戦に踏み切る構えを示しました。

背景にあるのが北欧のスウェーデンとフィンランドの、NATOへの加盟申請です。

エルドアン大統領は、両国が「クルド人武装組織を支援している」と主張して、これまで加盟に難色を示してきました。

事態打開に向けて28日には、トルコのほか、スウェーデンとフィンランドの首脳、さらにNATOのストルテンベルグ事務総長も加わり、4者で協議する予定です。

この協議についてエルドアン大統領は「テロ組織への欺まんの数々を、資料で示す。彼らの姿勢が変化しないかぎり、トルコの態度が変わることを期待するのは不可能だ」と述べました。

エルドアン大統領は、スウェーデンとフィンランドに対してクルド人武装組織との関係を見直すよう求めており、28日の協議を前に欧米に揺さぶりをかけた形です。