韓国 ユン大統領 初外遊に出発 NATO首脳会議 日米韓首脳会談へ

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は、NATO=北大西洋条約機構の首脳会議に出席するため、スペインに向けて出発しました。就任後初めてとなる外国訪問で、北朝鮮の非核化に向けて国際社会の協力を呼びかけるほか、日本とアメリカとの3か国の首脳会談を行って北朝鮮への対応で連携を確認する見通しです。

韓国のユン・ソンニョル大統領は27日午後、今月29日と30日に行われるNATO=北大西洋条約機構の首脳会議に出席するため、キム・ゴニ(金建希)夫人とともにソウル近郊の空港からスペインのマドリードに向けて出発しました。

ユン大統領としては先月の就任後、初めてとなる外国訪問で、ウクライナ情勢をめぐり韓国の支援を表明するほか、北朝鮮の非核化に向けて国際社会への協力を呼びかける見通しです。

また、29日には岸田総理大臣とアメリカのバイデン大統領と2017年9月以来となる3か国の首脳会談を行う予定で、北朝鮮への対応をめぐって連携を確認するとみられます。

一方で、韓国大統領府の関係者は、日韓首脳会談の実現については難しいとの見方を示していますが、通信社の連合ニュースは「会議や晩さん会などで両首脳が対面する機会が何度かあるので、関係改善に向けたきっかけができるか関心が集まっている」と伝えています。

韓国統一相 “北朝鮮の核実験準備は完了”

また韓国政府で北朝鮮との関係を担うクォン・ヨンセ(権寧世)統一相は27日にソウルに駐在する外国メディア向けに会見を開きました。

このなかで7回目の核実験に向けた北朝鮮の動向について「核実験の準備は完了し、政治的決断だけが残った状態だ。なぜ行っていないかは、われわれも明確には分からないが、最大限の効果を上げられるように国内外の情勢を見極めているのだろう」と述べました。

そして「核実験をするのであれば、国際社会の大きな批判に直面し、批判は言葉だけではすまない」と述べ、北朝鮮に核実験に踏み切らないよう警告しました。そのうえで、中国を含め各国が北朝鮮への働きかけを続ける必要があると強調しました。

また核・ミサイル開発について、北朝鮮がICBM=大陸間弾道ミサイル級だけではなく、短距離弾道ミサイルの発射も繰り返していることについて「狙いは韓国とみることができる。アメリカを相手にした攻撃力と合わせて、韓国を相手にした攻撃力を同時に持つことを目指していると考えられる」と指摘しました。