「着床前検査」めぐり学会が国に注意喚起求める要望書 提出へ

受精卵の染色体を調べ異常がないものを子宮に戻す「着床前検査」の新たな技術は流産を減らすことが期待される一方、出産に至る確率が上がるかは明らかでないなどとして対象となる人を限って実施されています。

この技術について都内のクリニックが希望する人すべてに実施するとしているとして、日本産科婦人科学会は国が注意喚起するよう求める要望書を出すことを明らかにしました。

受精卵の染色体を調べて異常がないものを子宮に戻す「PGT-A」と呼ばれる着床前検査の新たな技術は2回以上流産した経験がある夫婦などを対象に、ことし4月から日本産科婦人科学会が認可したおよそ200の医療機関で行われています。

しかし、学会によりますと不妊治療の分野に新たに参入したクリニックが今月都内で開院し、希望する人全員にこの検査を実施すると公表しているということです。

学会は検査で出産に至る確率を上げる効果が世界的にはっきりしていないことや、受精卵を選別するという倫理的な問題もはらんでいることから、検査対象となる人を限定しています。

学会は国に対して、学会のルールを守るよう関係機関に注意喚起することや問題を審議する公的機関を設置するよう求める要望書を近く提出することを決めました。

日本産科婦人科学会の木村正理事長は記者会見で「学会としてできることには限界があり、国に対応を求めたい」と述べました。

一方、クリニックは「学会のルールは把握しているが、不妊に悩むカップルのニーズに応えていきたい」としています。