大谷翔平 大リーグ自己最長タイ8回投げ 13奪三振無失点で6勝目

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が、22日、ロイヤルズ戦に先発ピッチャー兼2番・指名打者で出場し、大リーグで自己最多となる13個の三振を奪って8回を無失点に抑える好投で6勝目をあげました。

前日の試合でスリーランホームラン2本、自己最多の8打点とバッターで活躍した大谷選手は、22日、本拠地のエンジェルスタジアムで行われたロイヤルズ戦に中5日で先発登板しました。

1回に2者連続ヒットでノーアウト一塁二塁のピンチを招きましたが、3番からの主軸を抑えて無失点で切り抜けると、2回以降は速球と得意のスプリットに加えて緩いカーブも効果的に使って、フォアボールのランナーを1人出しただけの危なげないピッチングで、2回と4回には3者連続三振を奪いました。

球数が96球となりリードが3点に広がった8回もマウンドに上がり、最後はふだんよりやや腕を下げて投げたスライダーで見逃しの三振を奪って3つ目のアウトを取り、雄たけびをあげてガッツポーズを見せました。

大谷選手は大リーグで自己最長に並ぶ8回を投げて無失点、打たれたヒットは1回の2本だけで、フォアボールは1つ、奪った三振は大リーグで自己最多となる13個、球数は108球でした。

バッターとしては、1回の第1打席はフォアボール、3回の第2打席は、一・二塁間を守っていたショートのグラブをはじく内野安打、5回の第3打席は1アウト一塁から再びフォアボールを選び、後続の犠牲フライでエンジェルスが先制しました。

7回の第4打席と8回の第5打席は三振し、この試合は3打数1安打、フォアボール2つで、打率は2割6分となりました。

エンジェルスは終盤に得点を重ねて、5対0で勝って連敗を2で止め、大谷選手は自身3連勝で、今シーズンの成績は6勝4敗となり、防御率は2.90と3点を切りました。

ネビン監督代行「なんというパフォーマンスだ」

エンジェルスのネビン監督代行は試合後の会見で、当初8回からはリリーフ投手を登板させようと考えていたと明かしたうえで「彼に交代するか聞いたら『ノー』と。『これは自分の試合だ。自分が行くんだ』と言った。チームが2点を追加したあとにもう1回彼に聞いたらまた『ノー』と言われた」と笑顔でベンチでのやり取りを明かしました。

そのうえで「彼はチームの状況を理解している。この7日間で8試合をこなし、みんな満身創いだった。本当になんというパフォーマンスだ」とたたえていました。

大谷「なるべく長い回を投げたいと 勝ててほっと」

主砲のトラウト選手が休養で欠場した試合で、気迫のこもったピッチングでチームの連敗を止めた大谷選手は、試合直後のグラウンドでのインタビューで「勝ててほっとしている。主力の2人が休みで、抑えのイグレシアス投手も投げないと決まっていたので、なるべく長い回を投げたいと思っていた。立ち上がりはよくなかったが、切り替えて次の回からいけたのがよかった。バッターを観察しながら、投げるところに投げて打ち取れた。せっかく試合前にセレモニーもやっていたので、いい形で花を添えることができてよかったと思う。休み前なので、あしたしっかりと休んであさってから頑張りたい」と話していました。

大谷 100本塁打と300奪三振を達成 ベーブ・ルース以来

大谷翔平選手は、先発登板した22日のロイヤルズ戦で、1回にロイヤルズの3番、ウィットJr.選手から空振り三振を奪って、通算300奪三振としました。

大谷選手はこれまでに108本のホームランを打っていて、大リーグで通算ホームラン100本と300奪三振を達成したのは「野球の神様」と言われるベーブ・ルース以来、史上2人目です。

ベーブ・ルースは大リーグ歴代3位の通算ホームラン714本を打ち、奪三振は488を記録しています。

大谷 試合後の一問一答【全文】

大リーグ、エンジェルスの大谷翔平選手が22日のロイヤルズ戦で、大リーグで自己最多となる13個の三振を奪って8回を無失点に抑え、6勝目をあげました。
試合後に日米のメディアの取材に答えた一問一答です。

Q.監督が「8回は翔平が志願した」と言っていたが。
「まだ余力があったし、投げたいなという気持ちのほうが強かったので」

Q.いきなり立ち上がりに2人連続でヒットを打たれたが。
「初回に失点しなかったのがいちばんかなと思う。そこで失点してしまうと攻撃の面でもよくない流れになってしまう。そこを粘れたのがまずよかったし、長く投げたいとは思っていたけどあまり先のことは考えずに投げた」

Q.きのうは8打点、きょうは13奪三振。自分でもパフォーマンスに驚いているか。
「きのうはたまたまチャンスの打席が多かったので打点は多くなったかなという感じはある。連敗している時に登板するのはなかなかきついが、やりがいを感じてしっかりと仕事ができてよかったかなと思う」

Q.スライダーを多投していたが、ゲームプランだったのか。それとも試合が進むにつれて変えたのか。
「どっちもある。最後のほうは(相手バッターが)変化球ケアが強かったのでまっすぐでどんどんいった。最初のほうは左バッターがまっすぐをねらってきていたので、カーブもスライダーも使いながらかなと思う」

Q.いつもルーティンを大事にしていると思うがセレモニーが長くなって影響はあったか。
「言われていた予定よりは(時間が)押していたので、(室内の)ケージでいっぱい投げていた。こういうこともあるので、いい経験にはなったかなと思う」

Q.オールスターゲームに投げることや、ホームラン競争についてどう考えているか。
「選ばれないと出られないし、オールスターまではまずシーズン。選ばれるようにまず頑張るしかないので、選ばれたら選ばれたでまた考えたい」

Q.ホームラン競争に招待されたらやりたいか。
「もちろん光栄なことなので、前向きに考えたいなとは思う。やっぱりシーズン中にどこで投げるかにもよって変わってくる。シーズンを無理なく過ごすのがいちばんだし、その予定によって多少変わってくるかなと思う」

Q.きょうはカーブが有効だったが手応えは。
「いいスポット(場所)で投げられたので見逃し三振が多かったし、しっかり腕も振れていたのでいい軌道でいったかなと思う」

Q.8回まで投げきることができた要因は。
「イギー(抑えのイグレシアス投手)が投げないことも決まっていたので、なるべく長い回を投げたいなと、はじめから思っていた。それよりはゼロで行くことのほうが大事かなとは思っていた。ロースコアになるだろうなという予想があったので、点をやらないようには意識していった」

Q.8回は力を出し切った感じだったのか。
「もちろん3球とかで終われば、まだまだいけるんじゃないかなというのはあったが、それよりは8回をしっかり抑える。一人一人きるという。ブルペンも(肩を)作っているというのも聞いていたし、何かあれば任せることもできるので、一人一人出し切ることだけ考えていった」

Q.カーブは投球練習ではあまり投げないが、試合でしっかり投げきれるのは自分の中で基準になるものがあるのか。
「ないですね。まっすぐを基本的にいい感覚で投げられていれば、あとはグリップ(握り)だったり、軌道のイメージだったりで、いい変化球を投げられると思っている。まっすぐを基準に、いいコマンドで投げられていれば、どの球種も問題なく投げられると思う」

Q.トラウト選手やウォルシュ選手が休養で打線から外れていたが、投げるうえで気持ちが変わった部分はあったか。
「もちろんいつもよりは打力が落ちるというのもあるし、ロースコアになるという予想でマウンドに上がった。その中で最初にノーアウト一塁二塁を作っているというのはあまりよくないかなと思う」

Q.曲がり球の投げ分けについて。
「スライダー、カーブももちろん区別もするし、カットももちろん区別はする。どういう風に投げるかよりも、どういうカウントでどこに投げるかとかのほうが大事かなと思う。それプラス、甘く入っても打ち取れるというか、ファールになったりというクオリティーで投げているかどうかが大事。いちばんはスポットが大事かなと思う」

Q.このところ連敗の中での登板が続いているが、きついと言っていたのはどんなところか。
「攻撃もやっぱり最近も苦しいと思うし、スケジュール的にももちろん詰まっているのでみんな体は苦しいと思う。そういう意味でも楽な試合はないかなと思うが、勝てばまた気分も晴れるし、いい攻撃にもつながったりするので。あしたは休みだが、いい休みを経てまたあさってからいい試合ができればと思う」

来月のオールスターゲーム「選ばれるように頑張る」

大谷選手は22日の試合後、来月行われるオールスターゲームにことしもピッチャーとして投げる考えはあるか問われ「選ばれないと出られないし、まずはシーズン。選ばれるように頑張るしかないので、選ばれたら選ばれたでまた考えたい」と話しました。

そして、オールスターゲームの前日に行われるホームラン競争に招待された場合は出場するかという問いについては「もちろん光栄なことなので、前向きに考えたい」と出場を検討する考えを示しました。

一方で「シーズン中にどこで投げるかによっても変わってくる。シーズンを無理なく過ごすのがいちばんだし、その予定によって多少変わってくるかなと思う」と話し、オールスターゲーム前後の登板日によっては、後半戦に向けて体力の回復を優先させる場合もあるという考えを示しました。

大谷選手は去年、ホームラン競争に日本選手で初めて出場し、1回戦でナショナルズのソト選手に敗れましたが、延長戦を繰り返す熱戦で球場を沸かせ「やっている時はすごく疲れたが終わってみればすごく楽しかった」と充実感をにじませました。

ただ、シーズン前半はホームラン王争いを独走する33本を打ったのに対し、オールスターゲーム後のシーズン後半は13本にとどまってタイトルを逃したことから、ホームラン競争での激しいスイングでバッティングを崩したとも指摘されていました。

これについて大谷選手は「理由が1つということはない。トータルで見た時に相手ピッチャーの攻め方が厳しくなったり、実際に後半戦の方が厳しい場面が多かったかなと思っている」と話しています。

ことしのホームラン競争に出場する選手はまだ決まっていませんが、ここまで大リーグトップのホームラン27本を打っているヤンキースのジャッジ選手は出場しない意思を示しているとアメリカメディアが伝えています。

「連敗ストッパー」の役割果たす

ピッチャーとして自身3連勝となる今シーズン6勝目をあげた大谷選手。

今月のこの3連勝はいずれもチームが連敗中に登板し、エースとして「連敗ストッパー」の役割を果たしています。

今月、大谷選手が最初に連敗を止めたのは9日のレッドソックス戦。

この時は球団最長の14連敗中で、2日前にはマッドン前監督が解任されるなど、チームは文字どおりどん底の状態でした。

そうした中での登板で、大谷選手は7回1失点、バッターとしても逆転ツーランホームランを打つなど投打に活躍してチームにおよそ2週間ぶりの勝利をもたらしました。

その後、中6日で迎えた16日のマリナーズ戦では6回無失点、バッターとしてもヒット2本を打ち、チームの連敗を3で止めました。

そして、中5日で迎えた22日の試合はアメリカンリーグ中部地区で最下位に沈むロイヤルズに2連敗して迎え、しかも前日は大谷選手が2本のスリーランなどで8打点をあげながら、延長戦の末に敗れるという後味の悪い試合でした。

そうした中、大谷選手は今シーズン初めて8回を投げきって無失点、大リーグでの自己最多を更新する13個の三振を奪う快投で。エースとしてまたしても連敗ストッパーの役割を果たしました。

試合後、大谷選手は連敗中の登板について「なかなかきついが、やりがいを感じてしっかりと仕事ができてよかった」と話し、エースとしての責任感をにじませました。

この日の試合前にはエンジェルスのワールドシリーズ制覇20周年を祝うイベントが行われ、当時の優勝メンバーたちも試合を見守りましたが、その1人は地元放送局の中継の中で大谷選手について「歴史が作られていくのを見ているようだ」と話し、投打にチームを引っ張る姿をたたえました。

チームはプレーオフ進出ラインまで5ゲーム差といぜん厳しい状況が続いていますが、20年ぶりの歓喜の再現を目指し、大谷選手の右腕にかかる期待は日に日に大きなものになっています。