世界の難民・国内避難民 1億人超 過去最多 ウクライナ侵攻で

UNHCR=国連難民高等弁務官事務所によりますと、紛争などで住む家を追われた世界の難民や国内避難民の数は、去年過去最多にのぼったうえ、ことし2月に始まったロシアによるウクライナへの軍事侵攻によって世界全体で1億人を超えました。

UNHCRは、国連が定めた今月20日の「世界難民の日」を前に16日、最新の報告書を公表しました。

それによりますと、紛争や迫害によって国外に逃れた難民や家を追われた国内避難民などは去年末の時点で世界で8930万人と、前の年より690万人増え、過去最多となりました。

このうち、最も多くの人が国外に逃れているのは、内戦が続く中東シリアからで680万人、政治的な混乱が続く南米ベネズエラからは460万人、去年イスラム主義勢力タリバンが政権を掌握したアフガニスタンからは270万人となっています。

さらにUNHCRは、ことし2月に始まったロシアによる軍事侵攻でウクライナから国外に逃れた人などを合わせると、世界全体の難民や避難民は1億人を超えたとしています。

UNHCRのグランディ難民高等弁務官は強い危機感を示したうえで、ウクライナだけでなく世界の難民と避難民の支援を強化していく必要があるとして、国際社会にいっそうの協力を呼びかけています。