ロシア軍 各地で激しい砲撃 ウクライナ側住民の避難続く

ウクライナ東部のルハンシク州の完全掌握を目指しているロシア軍は、各地で激しい砲撃を加えていて、ウクライナ側の住民の避難が続いています。
一方、6月12日は32年前にロシアが国家として主権を宣言した記念日に当たり、軍事侵攻が長期化する中、プーチン大統領は演説を行い、国民に団結を呼びかけました。

ウクライナ東部のルハンシク州の大部分を掌握したロシア軍は、州の完全掌握を目指してウクライナ側が拠点とするセベロドネツクと、対岸のリシチャンシクに向け砲撃を続けています。

ルハンシク州のハイダイ知事は12日、セベロドネツクの戦況について「ロシア軍は口径の大きな火砲を使って何時間にもわたり住宅街を砲撃している。われわれは持ちこたえてみせる」とSNSに投稿しました。

11日にリシチャンシクで撮影された映像では、砲撃音が響くなかウクライナ側の兵士に誘導されながら市民が避難する様子が確認できます。

一方、6月12日は1990年にロシアが国家として主権を宣言した「ロシアの日」と呼ばれる記念日で、首都モスクワで式典が開かれました。

この中で、プーチン大統領は演説を行い「われわれは祖国や社会が1つになることがいかに重要かを痛感している。団結とはすなわち、祖国への献身、そして祖国に対する責任だ」と述べ、国民に団結を呼びかけました。

そのうえで、「われわれの祖先の業績と軍事的な勝利を誇りに思う。戦いで祖国を守り、世界でしかるべき役割を確立した」と述べ、軍事侵攻への支持も呼びかけるねらいがあるとみられます。

ロシアによる軍事侵攻が始まってから3か月半が過ぎましたが、欧米によるロシアへの制裁やウクライナへの武器供与が続く一方、停戦に向けた交渉は中断したままで、事態はこう着しています。