北朝鮮 コロナ感染発表1か月 国民の6人に1人発熱も強気の構え

北朝鮮が国内で新型コロナの感染者が初めて確認されたと発表してから12日で1か月です。新型コロナによるとみられる発熱者の累計は440万人近くと国民の6人に1人の割合に達していますが、北朝鮮指導部は感染状況が改善しているとして、国外からのワクチンの受け入れを拒みながら強気の構えを崩していません。

北朝鮮は先月12日、国内で新型コロナの感染者が初めて確認されたと発表し「最大非常防疫態勢」に移行してから、12日で1か月となります。

すべての市や郡などが封鎖され、発熱の症状のある人の確認や消毒作業、それに医薬品の供給などが人海戦術で進められていますが、新型コロナによるとみられる発熱者の累計は4月下旬から今月10日までで440万人近くと、国民の6人に1人の割合に達しています。

しかし北朝鮮の発表では一日当たりの発熱者は先月15日に39万人余りに上ったのをピークに減少傾向が続いて、今月10日には5万人を下回り、感染状況が改善しているとしています。

キム・ジョンウン(金正恩)総書記は先月、異例のマスク姿で公の場に登場していましたが、今月10日まで開かれた朝鮮労働党の中央委員会総会の映像ではキム総書記をはじめ出席者のほぼ全員がマスクをつけていませんでした。

キム総書記は演説で「社会主義の保健制度の優越性を最大限発揮するよう経済事業と保健医療事業をさらに強化し、世界が見たことのない奇跡を実現すべきだ」と述べ感染対策と経済の立て直しを並行して進めると強調するなど、国外からのワクチンの受け入れを拒みながら強気の構えを崩していません。