「ロシア軍 精度の高い攻撃可能なミサイル不足」英国防省分析

ウクライナ東部で続くロシア軍の砲撃によって、連日、民間のインフラにも大きな被害が出る中、イギリス国防省は戦況分析で「ロシア軍には、より精度の高い攻撃ができる現代的なミサイルが不足している」と指摘しました。

ウクライナ東部のルハンシク州では11日もウクライナ側が拠点とするセベロドネツクで市街戦が行われているほか、周辺の集落への砲撃が続き、ロシア国防省は、州内の5か所でウクライナ軍の砲兵部隊を壊滅させたと発表しました。

これに対してルハンシク州のハイダイ知事は、砲撃によって、鉄道の施設や工場、それに学校などが破壊されているとして、ロシア軍を非難しました。

イギリス国防省の11日の分析によりますと、ロシア軍は4月以降、冷戦時代の1960年代に開発された古い対艦ミサイルを数十発発射したとみられるとしています。

イギリス国防省は「本来、海上の標的をねらう対艦ミサイルで地上を攻撃すると、精度が非常に低くなり、重大な巻き添えの被害が出るおそれがある」としたうえで「ロシア軍には、より精度の高い攻撃ができる現代的なミサイルが不足している」と指摘しています。

ウクライナ情勢をめぐっては、欧米各国からウクライナに供与される兵器の質や量しだいで、今後の戦局が大きく左右するとみられていて、ゼレンスキー大統領は、11日に公開された国民向けのメッセージで「ウクライナ軍は、侵略者の攻撃を止めるため全力を尽くしている。可能なかぎりの重火器と性能の高い火砲を供与するよう友好国に要請し続ける」と述べ兵器の供与を重ねて呼びかけました。