ゼレンスキー大統領「今は持ちこたえている」“兵器供与”訴え

ロシア軍は、ウクライナ東部のルハンシク州の都市で一段と攻撃を強めているのに対して、ウクライナ側は、ゼレンスキー大統領が「今は持ちこたえている」と述べるなど、反撃のためには一刻も早い追加の兵器供与が欠かせないと欧米各国に訴えました。

ロシア国防省は9日、東部ルハンシク州の各地をミサイルで攻撃し、ウクライナ軍の指揮所や武器庫などを破壊したほか、ドネツク州ではスホイ25戦闘機を撃墜したと発表しました。

また、ウクライナ軍の参謀本部によりますと、激戦地となっているルハンシク州のセベロドネツクには9日、ロシア軍の歩兵部隊が投入され、激しい市街戦になったということです。

ウクライナのゼレンスキー大統領は9日、新たに動画を公開し「前線の状況に大きな変化はないが、セベロドネツクなどでは今は持ちこたえている」と述べ、徹底抗戦する姿勢を強調しました。

また、ウクライナのレズニコフ国防相は9日、フェイスブックに投稿し、アメリカやフランス、それにポーランドから敵の陣地を砲撃するための自走式のりゅう弾砲や対戦車ミサイル「ジャベリン」などが供与されたとして感謝の意を示しました。

ただ「兵器供与のスピードや量には満足していない」として、反撃のためには一刻も早い追加の兵器供与が欠かせないと欧米各国に訴えました。

一方、ウクライナの首都キーウにある大学は9日、ロシアの軍事侵攻によるウクライナ国内の住宅や工場などの被害総額が、1039億ドル、日本円にしておよそ14兆円に上ったとする推計をまとめるなど、深刻な被害の実態も明らかになってきています。