スシロー「おとり広告」で措置命令 “うに かに品切れも宣伝”

キャンペーン期間中の「うに」や「かに」が実際は店になかったなんて…。

回転ずしチェーン大手の「スシロー」が、去年、実際と異なる表示で不当に客を誘う「おとり広告」を行っていたとして、消費者庁は運営会社に再発防止などを命じる措置命令を出しました。

楽しみにしていた消費者からは厳しい声が上がっています。

回転ずしチェーン大手に措置命令

措置命令を受けたのは、回転ずしチェーン「スシロー」を展開する大阪・吹田市に本社がある運営会社「あきんどスシロー」です。
去年9月に行った新物の「うに」を呼び物にしたキャンペーンのCMの画像です。

ところが、これを見て店に行ってもほぼすべての店で食べることができない期間があったんです。

消費者 “それはあかん”

街の消費者からは厳しい声が上がっています。

豊中市に住む20代姉妹
「それはあかん。広告の商品がなくても別のものを食べます。客を呼びたいお店の気持ちもわかりますが、商品がなかったらファンとしてはショックです」

大阪府内に住む30代男性
「広告を見てお店に行ったのになかったらショックでつらい。過剰な広告はやめてほしいです」
吹田市に住む80代女性
「孫がおすしが好きでよく一緒にスシローに行きます。お店に行くといつもウニがなくて、食べたいものがないと残念です」

“うに かに 品切れも宣伝”

消費者庁と公正取引委員会によりますと、「スシロー」は去年9月と10月に、キャンペーンとして期間限定のうにを1貫110円と3種盛り528円で売り出していました。

しかし、すぐに在庫がなくなり、全国の9割以上にあたるおよそ500余りの店で、一時、提供を取りやめたということです。

その間もウェブサイトなどでキャンペーンの宣伝を続け、客から「宣伝を見て店に来たのに不満だ」とか「販売をしていないならCMをやめるべきだ」などと会社に苦情が相次いだということです。
また、去年11月から12月には十分な準備を行わないまま「豪華かにづくし」などと銘打ちかにを呼び物にしたキャンペーンを行いましたが、初日から販売できない店が相次いだということです。

予定どおり提供できなかったのは583店舗にのぼりました。

消費者庁は、こうした宣伝は、実際と異なる表示で不当に客を誘う「おとり広告」にあたり、景品表示法に違反するとして9日、会社に対し、再発防止などを命じる措置命令を行いました。

「おとり広告」とは

消費者庁によりますと「おとり広告」は、商品やサービスが実際には購入できないにも関わらず、購入できるかのように表示しているものです。

景品表示法で、不当に顧客を誘い、公正な競争を害するおそれがあるとして規制されています。

「おとり広告」をめぐっては、5年前、大手通信会社が、スマートウォッチを1万円余りで販売するとうたいながら実際には商品を用意できていなかったとして、消費者庁から再発防止などを求める措置命令を受けています。

また、6年前には、大阪の中堅スーパーが実際には入荷していないブランド牛を「値下げして販売する」と、新聞の折り込みチラシで表示していたとして、措置命令を受けました。

措置命令に会社側は

今回、なぜ、うにやかにが品切れとなり、このような事態に陥ったのか。
「あきんどスシロー」の親会社の「FOOD & LIFE COMPANIES」は、NHKの取材に対し「販売予測が不十分で大幅な欠品が生じてしまった」と理由を説明しています。

FOOD & LIFE COMPANIES
「品切れについて店舗での周知は行っていたものの、広く周知する対応ができていなかったです。お客様にご迷惑をおかけし、大変申し訳ないことと考えており、今後、こういったことがないよう努めてまいります」

「表示と実際 異ならぬように」

消費者庁とともに調査にあたった公正取引委員会近畿中国四国事務所の真渕博所長は、会見で「好調な回転ずし市場において売り上げシェア1位を占める会社が行った不当な表示であり、店舗数の多さなどから一般消費者に与えた影響は大きい」と批判しました。

真渕博所長
「材料が足りなくなった段階で消費者に知らせたり、表示をあらためるなどさまざまな対応があったと考えられる。なにより、表示と実際が異ならないようにすることが重要だ」

うそのない広告を

食品などの値上げが続いているなかで、消費者にとっては大事な外食の機会。

食事の楽しみを奪うことがないように、誠実な広告が求められています。

(大阪放送局 友澤聡 西川龍朗)