給付金 不正受給事件 証拠残らぬよう現金で直接手数料受領か

国から支給される「持続化給付金」をだまし取ったとして指名手配されていた47歳の容疑者がインドネシアで逮捕された事件で、うその申請の名義人に給付金が振り込まれた後、容疑者のグループが1人当たり15万円から40万円ほどの手数料を現金で直接受け取っていたことが捜査関係者への取材で分かりました。警視庁は口座の記録など第三者が関与した証拠が残らないようにしていたとみて詳しいいきさつを調べています。

住所・職業不詳の谷口光弘容疑者(47)はおととし、新型コロナウイルスの影響で事業収入が大幅に減ったといううその申請をして国の持続化給付金300万円をだまし取ったとして全国に指名手配され、日本時間の8日、インドネシアで現地の警察に不法滞在の疑いで逮捕されました。

一家4人を含むグループが全国各地でうその申請の名義人を勧誘していたとみられていますが、名義人の口座に給付金が振り込まれた後、グループのメンバーが手数料を現金で直接受け取っていたことが捜査関係者への取材で分かりました。

手数料は1人当たり15万円から40万円ほどで、このうちの多くが東京・六本木の拠点マンションに集められていたとみられるということです。

警視庁は口座の記録など第三者が関与した証拠が残らないようにしていたとみて調べるとともに、谷口容疑者の日本への移送の手続きを進め、今後、詐欺の疑いで逮捕する方針です。