ロシア軍 キーウをミサイル攻撃 プーチン大統領 欧米をけん制

ロシア軍は5日、ウクライナの首都キーウをミサイルで攻撃しました。
一方、東部ではウクライナ側の激しい抵抗が続き、ロシアのプーチン大統領は「もしウクライナに射程の長いミサイルが供与されれば、われわれは攻撃する」と述べ、軍事支援を強める欧米をけん制しました。

ウクライナの首都キーウで5日、ミサイルによる攻撃があり、ウクライナ軍は、カスピ海上空を飛行していたロシア軍の爆撃機が5発の巡航ミサイルを発射したことを明らかにしました。

このうち1発はウクライナ軍によって迎撃されましたが、地元メディアによりますと、残りの4発が鉄道車両の修理工場に着弾し、作業員1人がけがをしたということです。

一方、東部では、攻勢を強めるロシア軍に対し、ウクライナ側の抵抗が続き、内務省が管轄する準軍事組織「国家親衛隊」は5日、ロシア側の戦車や装甲車を次々と破壊する動画をSNSで公開しました。

ウクライナ軍の参謀本部は、2月に侵攻が始まってから6月5日までに戦死したロシア側の兵士が3万1150人に上ると主張しています。

またイギリス国防省は最新の戦況分析で、ロシア軍は東部ルハンシク州での戦闘に、装備や訓練が貧弱な親ロシア派の予備役の兵士を動員しているとした上で「ロシア軍の勢いは鈍い」と指摘しました。

抵抗の原動力となっているのが、欧米各国が供与する最新鋭の兵器で、プーチン政権は、アメリカが新たに供与を決めた高機動ロケット砲システム=ハイマースなどに警戒を強めているとみられます。

こうした兵器をめぐってプーチン大統領は、5日に放送された国営テレビのインタビューで、射程距離が短く脅威にはなっていないという認識を示しました。

しかし「もしウクライナに射程の長いミサイルが供与されればわれわれは、新たな標的を攻撃するだろう。破壊するための手段は十分にある」と述べ、ウクライナへの軍事支援を強める欧米をけん制しました。