ロシア軍がキーウをミサイル攻撃 ウクライナ軍は東部で反撃

ウクライナでは、ロシア軍が首都キーウの2つの地区をミサイル攻撃するなど、攻勢を強めているのに対して、ウクライナ軍も東部などで欧米から供与された兵器を使って反撃し、各地で激しい戦闘が続いています。

ロシア軍は5日朝、ウクライナの首都キーウの2つの地区をミサイルで攻撃し、ウクライナの当局によりますと、これまでに1人がけがをしたということです。

キーウのクリチコ市長によりますと、この地区は市内を流れるドニプロ川東部のダルニツキーとドニプロフスキーだということです。

さらにロシア軍は、東部のルハンシク州で、ウクライナ側の主要拠点とされるセベロドネツクの完全掌握を目指し、攻勢を強めています。

これに対してウクライナ軍は、セベロドネツクで抵抗を続けるとともに、ルハンシク州に隣接するドネツク州ではロシア側の支配地域を集中的に砲撃し、反撃に転じています。

ロシアを後ろ盾とする親ロシア派の武装勢力によりますと、ウクライナ軍は、アメリカが供与した大型のりゅう弾砲のほか、火力の強い多連装ロケット砲を使用し、ドネツクでは4日から5日にかけて、640発以上が着弾したとしています。

こうした中、ロシアのラブロフ外相は4日、テレビのインタビューで「現在の国際的なエネルギー価格の水準を考慮すると、われわれが予算上の損失を被ることはない。逆にことしは、エネルギー資源の輸出による利益が大幅に増えそうだ」と述べました。

ラブロフ外相としては、経済制裁がロシアに与える財政上の損失は、限定的なものにとどまるという見通しを示すことで、対抗姿勢を強調するねらいがあるとみられます。