新型コロナに感染した子どもの「急性脳症」学会が全国調査へ

群馬県高崎市で小児科医の学会が開かれ、基礎疾患のない子どもが新型コロナウイルスに感染して「急性脳症」を発症し死亡したり重症化したりしたケースがないか、全国の医療機関を対象に実態調査を行うことが決まりました。

高崎市では4日、日本小児神経学会の会合が開かれました。

この中で、栃木県で先月までに、基礎疾患のない子どもが新型コロナに感染し1人が死亡、1人が重症化したケースがあったことが取り上げられました。

いずれも、感染が原因で免疫機能が過剰に働いて意識障害などを引き起こす「急性脳症」を発症していたということです。

これについて、出席した小児科医からは「新型コロナウイルスがどれほど急性脳症を引き起こすのか解明することが今後の課題だ」という指摘が出されました。

そのうえで、学会として今月中にも全国の医療機関を対象に同様のケースがないかアンケートをするなど、詳しい実態調査を行うことが決まりました。

「急性脳症」は、新型コロナに特有の疾患ではなく、さまざまな感染症によって起きるとされています。

学会のあと、日本小児神経学会のメンバーで東京都医学総合研究所の佐久間啓医師は「新型コロナに感染する子どもの増加に伴って急性脳症となる子どもも増えているとみられる。情報が不足しているので、早急に対応したい」と話していました。