EU加盟国 ロシア追加制裁で正式合意 船輸送の石油輸入禁止へ

EU=ヨーロッパ連合の加盟国は、ロシア産の石油の輸入禁止を含むロシアへの追加制裁について正式に合意し、船で輸送される石油については制裁の発動後8か月を経て、輸入が禁止されることになりました。

EUは、先月30日の首脳会議で政治的に合意したロシアへの追加制裁について、3日、加盟国が正式に合意したと発表しました。

ロシア産石油の輸入禁止について、当面の対象は船で運ばれる石油に限るとしたうえで、原則として原油は制裁の発動後6か月、精製した石油製品については8か月を経て、輸入を禁止するとしています。

また、EU以外への輸出もしにくくするため、6か月を経たのちに、ロシア産石油を海上輸送する際の保険なども禁止するということです。

EUによりますと、EUは去年、合わせて710億ユーロ、日本円で9兆8000億円余りの石油をロシアから輸入しています。

今回の制裁で輸入はおよそ9割減るということで、EUの外相にあたるボレル上級代表は「戦争を続けるロシア政府の資金力にさらに制限を加える」とコメントしています。

このほか、今回の制裁ではEUからロシアへの輸出を禁止する対象に、化学兵器の製造に使うことができるおよそ80種類の化学製品を加えるほかウクライナのブチャやマリウポリで民間人殺害などにかかわったとするロシア軍の関係者らのEU域内の資産凍結などを加えています。