軍事侵攻から100日 ロシア軍 ウクライナ側拠点へ攻勢強める

ロシアは、ウクライナへの軍事侵攻を始めてから100日となった3日も、ウクライナ東部を中心に攻撃を続けています。

長期化するウクライナ情勢が世界の食料安全保障にも深刻な影響を及ぼす中、AU=アフリカ連合の議長はプーチン大統領と会談し、懸念を伝えるとみられます。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が始まって3日で100日となりました。

ロシア軍は、ウクライナ東部ルハンシク州の完全掌握に向け、ウクライナ側の拠点とされるセベロドネツクへの攻勢を強めていて、地元のガイダイ州知事は、セベロドネツクのおよそ8割がロシア軍に掌握されたという見方を示しています。

また、イギリス国防省は3日に公表した戦況分析で「ロシアは東部のドンバス地域で戦術的に成功しつつある。勢いがあり、主導権を握っているようだ」と指摘したうえで、ルハンシク州については今後2週間で完全に掌握する可能性が高いとしています。

ウクライナ側も南部などで反撃し、一部でロシア軍を押し返す動きが見られますが、ゼレンスキー大統領は2日の演説で「ロシア軍はウクライナの領土のおよそ20%に当たる12万5000平方キロメートルを支配している」と認めています。

戦闘がさらに長期化するという見方が強まる中、小麦やトウモロコシといった穀物の世界有数の輸出国であるウクライナをめぐる情勢は、世界の食料安全保障にも深刻な影響を及ぼしています。

ウクライナなどはロシア軍がウクライナ南部に面した黒海の港を封鎖し、穀物などを輸出できなくしていると批判していますが、これに対し、ロシア側は穀物価格の上昇は欧米によるロシアへの制裁が原因だとして、制裁解除が必要だと主張しています。

こうした中、AUの議長国、セネガルのサル大統領が3日、ロシア南部のソチを訪れ、プーチン大統領と会談する予定です。

議長としての訪問の目的について「アフリカ諸国に影響を与えている穀物や肥料の在庫を解放することだ」としていて、懸念を伝えるとともに、港の封鎖を解くようロシア側に求めるとみられます。